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先進的改革で力づけられたGCCの女性がビジネス界の中心に

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08 Mar 2022 01:03:37 GMT9
08 Mar 2022 01:03:37 GMT9

モナ・アラミ

GCCのビジネス界では、近年の先進的な改革によって力づけられた女性たちが、ますます中心的な存在になっている。

UAEとサウジアラビアを筆頭に、この地域では近年、社会の持続的成長を実現するための国家戦略の一環として、ジェンダー・ニュートラルな施策が推進されており、変化が見られるようになってきた。

サウジにとって、「ビジョン2030」の最重要項目の一つが、女性のエンパワーメントだ。この計画が始動して以来、女性は運転や一人旅をし、職場で存在感を強めつつある。

隣国のUAEは2015年、国連の持続可能な開発目標(UNSDG)に取り組むための地域の計画の一環として、同国の女性たちのエンパワーメントのための計画を立ち上げた。これは、UAEが昨年、女性の権利を強化するために連邦犯罪処罰法の更新を決定したことに続くものだ。

これらの変化は、女性の地位を向上させ、女性が自身のビジネスを表舞台に出すことを後押ししている。今年のフォーブスによるMENAで最も影響力があり成功したビジネスウーマン50人のリストには、19の異なる国の人々が選出され、UAEとエジプトが1位、そしてサウジアラビア、モロッコ、クウェート、オマーンと続いた。

「GCCの女性は、UNSDGや地域経済の多様化に向けた全体的な目標と一致する、野心的な国家的目標に基づく魅力的な改革の恩恵を受けています」と、BCG中東のマネージングディレクター兼シニアパートナーのレイラ・ホテイト氏は述べる。

同氏は、UAEでは、ジェンダー投資が、女性起業家を力づけることでスタートアップの創出を刺激し、また、次のユニコーン企業を生み出す可能性を高めており、それによって未来の強くしなやかな経済を構築していると話した。

ジェンダー投資(GLI)は、ビジネス界で一般的に知られているように、ジェンダー分析を投資分析と意思決定に統合することであり、2015年に193カ国が掲げた、2030年までに17の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するという公約の下に概説される。

今年のフォーブス誌の「MENA地域で最も影響力のあるビジネス界の女性トップ50」に選ばれたホテイト氏は、この地域におけるビジネスウーマンの著しい前進を強調した。

「昨年、UAEにおけるベンチャーキャピタル出資先のうち、女性だけの創業者が11%を占め、国際平均の3%を上回りました」と彼女は述べた。

さらにホテイト氏は、UAEが世界で2番目に、企業や政府機関に取締役会に女性を含めることを義務づけた国である点を指摘した。

一方、2020年に、女性の経済的機会に対する法的障害を特定する世界銀行の「女性・ビジネス・法律指数」で、サウジアラビアが最大の改善を記録したと同氏は話す。

これは、地域のビジネスレベルでの多くの成功事例につながっている。

サラ・アル・スハイミ氏は、この地域に数多く存在する例の一つだ。サウジ証券取引所サウジ・タダウルの会長として、彼女はグローバルスタンダードとベストプラクティスを満たすためのグループの努力を先導している。伝統的に男性の領域と考えられてきたサウジアラビアの証券取引所を率いる初の女性だ。

タダウルに掲載された自身の文章で、彼女は自身の機関が先進的な資本市場の発展に貢献していることを「これは、サウジアラビアのビジョン 2030を実現・支援するように活気ある金融セクターを作ろうとする、サウジアラビアの金融セクター開発プログラムの中核となる柱です」と強調した。

アル・スハイミ氏は、サウジテレコムやサウディア国営航空会社、文化開発基金など複数の企業の取締役も務めている。

カタール人のハナディ・ビン・ナーセル・アル・タニ氏もまた、力強い例だ。元経済学助講師で、まず1998年に投資会社アムワルを設立した。2005年には、32億ドルかけたドーハの不動産開発プロジェクト「アル・ワーブ・シティ」を立ち上げた。

UAEのハナ・アル・ロスタマニ氏は、AWロスタマニ・グループという有名な事業家一族に育ち、そのビジネスセンスを受け継いだ。しかし、彼女は家業の枠を超え、ファースト・アブダビ銀行で初の女性CEOに就任した。フォーブスによると、同銀行は2021年9月現在、総資産2680億ドルのUAE最大の銀行である。

GCCのビジネス界で成功するために、女性が持つべきスキルや知識は何かという質問に対して、ホテイト氏は簡潔に「機会」と答えた。

「UAEだけでも、大学卒業生の大半を女性が占め、その半数が科学・技術・工学・数学分野を専攻している」と彼女は述べた。

ホテイト氏は、GCCの公共・民間セクターにおいて、重要な意思決定の役割を担う女性の割合が増加していることが、次世代の女性や少女たちにとって、教育を受けるだけでなく、市場でより大きな成功を収めることへの励ましとなっており、それによってバリューチェーンや成功のあらゆる側面において職場での認知度がより高まっている、と指摘した。

しかし、今日のGCC市場において、女性であることは課題であると同時に利点でもある。この課題は、パンデミック時に最悪の形で世界レベルで明らかになった。

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに取り組む国連機関UN Womenが、経済や職場、健康、無報酬の育児など、さまざまな分野における根本的な不平等を当時明らかにした、とホテイト氏は説明する。

また、女性の役割に対する伝統的な考え方が広く浸透しているこの地域では、女性はキャリアと両立させながら家事の全責任も担うことが期待されている。

「しかし、この地域の指導者たちは、早くからこの問題に取り組み、女性のエンパワーメントのための明確な道筋と戦略を設定し、企業や政府の最高意思決定者に女性を配置することを続けています」と、ホテイト氏は締めくくった。

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