
英国首相、サウジアラビア訪問で自由貿易協定、ビジネス関係の強化へ
リヤド:英国のボリス・ジョンソン首相は水曜日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドル アジーズ・アール・サウード皇太子殿下と会談し、両国の経済・ビジネス関係の強化を呼びかけた。
サウジアラビアと他のGCC諸国は、自由貿易協定へ向けて取り組んでおり、今回の訪問により、早く光が見えるかもしれない。
両国は、戦略的パートナーシップ協議会を設立するための覚書に署名した。
英国は今でもサウジアラビアを重要な貿易・ビジネスパートナーと見ており、二国間の貿易量と金額が何よりの証拠だ。
また、ウクライナ侵攻に伴うロシアへの厳しい経済制裁を受け、英首相はサウジ政府に対して原油の増産を求めた。
エネルギー安全保障
欧米諸国は、原油生産量を現在の水準で維持すれば原油価格の大幅な上昇を招き、ひいては世界的な不況の引き金になることを懸念している。
サウジアラビアはOPEC加盟国の中で最大の原油生産国である。
ジョンソン首相は、原油生産以外にも、サウジアラビア政府高官と重要な経済プロジェクトについて議論した。
サウジアラビアが依然として中国にとって最大の貿易相手国であることは事実だが、だからといって英国がサウジアラビアとの貿易拡を躊躇することはないだろう。
特にサウジアラビアは現在、あらゆる分野で数十億ドル規模のプロジェクトに着手しているため、英国がサウジアラビアでのビジネスプレゼンスを強固にすることを目論んでいるのは間違いない。
サウジアラビアと英国の貿易
最新のデータ・統計によると、2021年第3四半期末までの英国とサウジアラビア間の物品・サービス貿易総額は、4四半期合計で535億7000万SR(142億8000万ドル)となり、2020年第3四半期末までの4四半期から6.3%増の31億8400万SRとなった。
同期間の英国向け輸出総額は、7.5%増の29億3,000万SRに達した。
2021年第3四半期末までの4四半期におけるサウジの対英輸出は、2.2%増の合計117億9000万SRに達した。
両国の貿易収支は依然として英国側の黒字で、合計304.4億SRの貿易黒字を計上した。
石油(原油と精製品を含む)は、サウジアラビアからの輸入の半分以上を占めた。
ジョンソン首相のSABIC訪問
ジョンソン首相は3月16日、サウジアラビア公式訪問の一環として、リヤドのSABIC Plastics Applications Development Centerを訪れ、施設を見学した。
サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン王子、駐英サウジ大使ハリド・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子、国務大臣兼閣僚会議メンバーのムサエド・アル・アイバン氏、その他多くの要人・関係者が同行したと、同社は声明で発表している。
ジョンソン首相一行には、グリムストーン英投資担当大臣、ニール・クロンプトン駐サウジアラビア英国大使の姿があった。
SABICは英国において強い存在感を示しており、SABIC UK Petrochemicals Ltd.の本部は、ティーズサイドのウィルトンセンターにある。
サウジアラビアの化学品メーカーである同社は、互いに近くに位置するウィルトンインターナショナル、ティーズポート、ノースティーズの3カ所に製造・貯蔵施設を保有している。
またSABICによれば、SABIC ソーナビーは、Vertonのガラス長繊維を使ったコンパウンド製品を生産する世界唯一の工場であるという。
この技術は、主に大型トラック産業を支えている。