Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 戦略的パートナーシップは、サウジを世界有数の国際観光目的地にすることを目指す

戦略的パートナーシップは、サウジを世界有数の国際観光目的地にすることを目指す

新しいパートナーシップは、エミレーツ社のグローバルネットワークを利用するレジャー旅行者のために、サウジアラビアの観光体験を増幅させることを目的としている。(AFP/ファイル・写真)
新しいパートナーシップは、エミレーツ社のグローバルネットワークを利用するレジャー旅行者のために、サウジアラビアの観光体験を増幅させることを目的としている。(AFP/ファイル・写真)
Short Url:
27 Apr 2022 05:04:38 GMT9
27 Apr 2022 05:04:38 GMT9
  • サウジアラビア政府観光局は、エミレーツ航空のグローバルネットワークを活用し、旅行者の観光体験を増幅させることを目指す
  • エミレーツ航空は、サウジアラビアの4つのゲートウェイ:リヤド、ジェッダ、ダンマン、メディナにおいて週53便を運航

ジュマナ・アル・タミミ

ドバイ:サウジアラビアは2019年、経済多様化戦略の一環として国際観光に門戸を開くという画期的な措置を取った。現在同国は航空ネットワークの合理化を含め、同国への訪問をより迅速かつ安価にする計画を急ピッチで進めている。

サウジアラビア観光局(STA)と、世界最大級の民間航空会社であるエミレーツ航空との間で最近締結された協定は、サウジアラビアでの休暇を選択する海外旅行者の数を増やすと同時に、両国の経済にも利益をもたらすことを目的として掲げている。

2月に両社が署名したこの覚書により、NEOMの未来型スキーリゾート「トロエナ」、リヤドの遺跡トレイル「アル・ウラー」や娯楽都市「キディア」まで、サウジの観光インフラプロジェクトにさらなる弾みがつくと期待されている。

エミレーツ航空の湾岸・中東・中央アジア地域営業担当上級副社長であるアディル・アルガイス氏は、サウジアラビアを「この地域で最も重要な市場のひとつ」とし、この合意によりサウジアラビアが世界トップレベルの観光目的地になる目標を実現できるようになると述べている。

サウジアラビアで現在建設中のメガプロジェクトの一つ、NEOMの完成予想図。(提供)

「サウジアラビアは、世界で最も魅力的な観光地の一つとして位置づけられるでしょう。その物語を世界に伝えるのに寄与する独自のプロジェクトの連携を含め、同国は大きな変革期を迎えています」と、アルガイス氏はアラブニュースに述べている。

「王国の壮大な風景、多様な海や地形、豊かな文化や歴史を体験したいと願う旅行者の間で、すでに関心は高まっています」

基本合意の一環として、STAとエミレーツ社は、サウジアラビアを約130路線のグローバルネットワークにおける重要な市場とすることを視野に、同国の主要観光スポットのプロモーションに共同で取り組む。

また、両社が旅行者の動向や予約行動に関するデータの洞察を共有することで、STAは「世界中の主要な市場で、観光パッケージを効果的に販売するための戦略を最適化する」ことが可能になるとアルガイス氏は述べている。

ドバイを拠点とする同航空会社は、サウジアラビアの4つのゲートウェイ、すなわちリヤド、ジェッダ、ダンマン、メディナにおいて、すでに週53便を運航している。

エミレーツ社は、その広大な航空ネットワークにより、これまで十分なサービスを受けていなかった新たな旅行者層を開拓し、サウジアラビアのインバウンド観光を強化する予定である。

主な目的は、サウジアラビアへの観光を促進し、エミレーツ社のネットワーク全体から旅行者を誘致することである。(AFP/ファイル・写真)

サウジアラビア観光局のCEO兼取締役であるファド・ハミダディン氏は、基本合意書に調印後、「この覚書により、私たちは世界中の120以上の観光地にアクセスできるようになりました。これらの都市からサウジのさまざまな目的地へ観光客を誘致することが可能です」と述べた。

観光専門家で、ウムラ(小巡礼)巡礼者向けのB2B予約検索エンジン Zamzam.com のCEOを務めるオマー・アクバル氏は、STAとエミレーツ社の契約が『ビジョン2030』と調和するサウジ観光エコシステムの目標と願望を達成するための重要なパートナーシップへの道を開く助けになると確信している。

ビジョン2030の改革課題は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が2017年に打ち出したものである。石油依存の経済から脱却し、王国の経済を多様化させることを目的に、観光を含む他の産業を強化する計画だ。

歴史的に、サウジアラビアの観光産業に関する収入のほとんどは、宗教的な観光によるものである。2019年の石油以外からのGDPのほぼ20%(約120億ドル)は、メッカとメディナの聖地へのハッジ(大巡礼)とウムラの巡礼者によるものだ。

宗教的な観光客に特化した代理店を含む旅行業界は、2020~21年の間、新型コロナウイルスのパンデミックによる各国政府の移動制限により、大きな打撃を受けた。現在、規制は緩和され、市場は改善されつつある。

サウジアラビアの主要な観光地であるアル・ウラー近郊の古代ナバテア人の遺跡ヘグラ。(AFP)

「巡礼に関しては、観光客の数はすぐに回復すると確信しています」と、アクバル氏はアラブニュースに語っている。実際、今年のウムラの巡礼者数は、パンデミック以前の巡礼者数に迫る勢いである。

王国は2030年までに、観光産業がGDPの約10%を占め、主要観光スポットに年間1億人(国内旅行者4500万人、訪日観光客5500万人)が訪れ、さらに100万人の雇用を創出することを求めている。

この目標の達成に向けた最初の大きな一歩は、2019年に王国が観光電子ビザeVisaを導入し、外国人旅行者がオンラインで旅行書類を手配することが今までよりもはるかに容易になったことである。

「eVisaの導入は多くの訪問者の誘致に大きく貢献しました。これはビジョン2030の目的のひとつである、訪問者数の増加の達成に付加価値をもたらしています」とアクバル氏は述べている。

訪問者数を増やすために、STAは世界的なマーケティングキャンペーンを展開し、王国の最新の豪華な観光開発と、あまり知られていない珠玉の遺産を宣伝している。

広告キャンペーンや展示会から、世界のマスコミ、旅行代理店、ソーシャルメディアのインフルエンサーを対象とした旅行の企画まで、王国は訪問者数向上のためにあらゆる手を尽くしている。

ジェッダを拠点とするザヒード・トラベルグループのマネージングディレクターであるダニエル・ポンゾ氏はアラブニュースに対し、「自国の魅力を紹介するためにこれほど多額の資金を投じている国は、世界でも他にありません」と語っている。

さらに、STAは東南アジア、南アジア、ヨーロッパなどの国々の観光省と提携し、遺産と文化の振興と保存における共通の課題に取り組んでいる。

また、サウジアラビア全土において、「同国が世界で最も美しい観光地となるために必要な宿泊施設、交通インフラ、観光スポットを提供するプロジェクトが数多く進行中です」とポンゾ氏は述べた。

サウジアラビア全土において、同国が世界で最も美しい観光地となるために必要な宿泊施設、交通インフラ、観光スポットを提供するプロジェクトが数多く進行中である。(AFP)

この王国の最大の見どころは、アル・ウラーであろう。北西部に位置するこの都市は、その美しい砂漠の風景と歴史的、地質学的、地理学的な重要性で知られている。

2035年の都市開発プロジェクト完了時には、3万8000人の雇用を創出し、年間200万人の観光客を集め、地域の人口を13万人に拡大し、王国の経済に320億ドルの貢献をすることを目指している。プロジェクトにはすでに20億ドル以上が投資されており、現在は32億ドルがインフラ整備を優先に費やされつつある。

また、紅海沿岸に建設中の王国初のスマートシティ「NEOM」は、2030年までに4万5000室の宿泊施設を提供する予定である。

「そして、『紅海開発計画』のような特別なプロジェクトもあります」とポンゾ氏は言う。「2030年までに、約22の島が開発され、48のリゾートが建設される予定です。また、2023年までに5つの島が開発され、16のリゾートと約3000室の宿泊施設が建設される計画もあります」

エミレーツ航空とサウジアラビア観光局の間で締結された新しい基本合意により、サウジアラビアへの訪問者数が増加するだろう。(AFP)

「巨大な開発プロジェクトが進行しています。サウジアラビアが観光に門戸を開くことを決めた2018年と2019年以降、この地で起きていることには、ただただ驚くばかりです」

旅行会社の地域別旅程にサウジアラビアを加え、輸送手段を拡大することで、湾岸協力会議(GCC)地域全体が利益を得る立場にあると専門家は述べている。

アクバル氏は、「これは素晴らしいアイデアだと思います。地域全体が同じ方向に向かっています」と述べている。

「GCC諸国がさまざまな交通手段で結ばれることで、観光客は短期間で中東の文化に触れることができるようになるでしょう」

また、サウジアラビア政府は昨年、経済改革の一環として、2030年までに世界の交通・物流の拠点となる計画を発表し、年間3億3000万人の旅客数を目標としている。

そのために、リヤドを拠点とする新しい航空路線を設立する計画がある。現在ジェッダを拠点とするフラッグキャリアのサウディア航空は、この2つのハブ空港を基盤とした輸送戦略をとる予定である。

サウジアラビアの主な目的は、同国を最終目的地とした訪問者を増やすことであると、民間航空総局の戦略責任者であるモハメド・アルクライシ氏は最近ロイター通信に語っている。「我々はトランジット市場を狙っているわけではありません」

サウジアラビアの対外開放政策は、この地域全体の国際的なイメージを再構築し、豊かな経済的報酬を得る機会を与えたというのが一般的な見方である。

「この地域の2〜3カ国を組み合わせて訪問することに興味を持つ旅行者がいることは、すでに確認されています。ドバイ+αの組み合わせは、非常に要望が多いのです」とポンゾ氏は語る。

「今年はカタールでワールドカップが開催されます。カタールに行く旅行者の中には、カタールとサウジアラビアを組み合わせて旅行する人もいるでしょう」

長期的な視点に関して、彼はこう語った。「サウジアラビアは、この地域における新しい目的地として地図に載り、おそらく何百万人もの旅行者の「いつかは行きたい場所リスト」にも加わるでしょう。それは、この地域にとって素晴らしい後押しとなると考えています」

特に人気
オススメ

return to top