
アラブニュース
ダボス:「景気後退期は、私たちの取り組みがより上手くいく時期だ」YouTubeのCEO、スーザン・ウォシッキー氏が今日、ダボスで開催された世界経済フォーラムで聴衆に語りかけた。
フォーチュン500の調査によれば、フォーチュン 500のCEOたちのうち75%は、次の景気後退は2023年末までに始まると予想している。Googleの16番目の従業員だったウォシッキー氏は、同社に勤める間、2度の景気後退を乗り越えた。
ウクライナでの戦争やアメリカのインフレといった「気がかりなマクロトレンド」が見られる中、彼女はGoogleとYouTubeのビジネスに関してこのように述べている。「私たちは常に長期的視点で物事を見るようにしてきましたが、現在、全般にわたり驚異的な成長を遂げています」
ウクライナでの戦争はYouTubeにとって重要な瞬間となっている。YouTubeは他のソーシャルメディアプラットフォームと異なり、今もロシアでサービスを提供している。「戦争が勃発するとすぐに、それが私たちの責任を正しく果たすために非常に重要な時であることに気づきました。そして私たちは本当に、本当に厳しい決断を数多くしてきました」と、ウォシッキー氏は述べた。
ウォシッキー氏によれば、YouTubeがロシアでサービス提供を継続している理由は、プラットフォームが持つ「ロシアに独立したニュースを配信する」能力と責任であり、平均的なロシア国民は、世界中のあらゆる場所の全ての人たちと同じように情報に無料でアクセスすることができる。
ロシアはYouTubeを停止していないが、独自の動画共有プラットフォームRUTUBEを持っている。ウォシッキー氏はRUTUBEについて取り立てて懸念していないが、「現在、動画は非常に競争の激しい新興市場であり、特にアジア以外から、より多くのプレーヤーが現れ続けるだろう」と述べた。
たとえば、TikTokの成長物語については言及する価値がある。「中国発のサービス、特にTikTokとは間違いなく激しい競争になるだろう」と、ウォシッキー氏は述べた。
TikTok人気の高まりは、主に視聴者とクリエイターの両方を魅了した短い形式のコンテンツフォーマットによってもたらされた。現在YouTubeはそれよりも長い動画を扱っているが、サービス開始当初は、他の形式の動画といえば昔ながらのテレビしかなかく、YouTubeはショート動画のプラットフォームだった。実際、YouTubeにアップロードされた初めての動画はわずか18秒のものだった。
今日では、YouTubeはYouTube Shortsの立ち上げに伴い、短い形式のコンテンツへの投資をますます増やしている。「この分野では多くの競争が見られるだろう」と、ウォシッキー氏はショート動画プラットフォームについて語り、このようなコンテンツは「現在、おそらく市場で最も動きの速い部分だ」と付け加えた。
偽情報についての話題にも触れた。YouTubeは偽情報との戦いにおいて、新たなポリシーとフレームワークを通じて、価値ある投資と改善を行ってきた。同社の調査によれば、YouTubeが摘発していない違反コンテンツの数は、10万再生あたり10〜12本の動画にまで減少しているとのことだ。
「その数は大幅に減少している。私たちはこの取り組みを継続し、それを確実に減らし続けていく計画だ」と、ウォシッキー氏は述べた。