チュニス:チュニジアのカイス・サイード大統領は21日、国際通貨基金(IMF)に対し、緊急支援の一環として要求する可能性のある経済改革がもたらす社会的影響を考慮するよう迫った。
北アフリカに位置するチュニジアは、2011年の革命以前からの長年にわたる高失業率、インフレ、公的債務によって疲弊した経済を救済するための新規融資について、グローバルな融資機関であるIMFと予備的協議を行っている。
大統領府の声明によると、サイード氏は21日、IMFのこの地域の責任者を務めるジハード・アズール氏と会談し、「大規模改革を導入する必要性は認識している」が、そうした変更は「社会的影響を考慮」しなければならないと主張した。
国民には「経済的な利害に関わる措置に従属させることのできない、医療や教育といった特定の権利がある」と、同氏は付け加えた。
間もなく開始予定の正式交渉に先立って、同国政府はIMFに改革プランを提示しており、これには公的部門の賃金法案の凍結、一部の補助金削減、国営企業のリストラなどが含まれる。
チュニジアの強力な労働組合であるUGTTは、賃金引き上げを求めて公的部門の全国的なストライキを先週行ったが、IMFを喜ばせるための「痛みを伴う改革」の実行に警告を発している。
大統領府が発表したビデオメッセージの中で、アズール氏は、サイード氏との間で「IMFとチュニジア政府の協力と交渉の種々の側面、およびチュニジア、地域、世界の将来的な経済発展」について協議したと述べている。
チュニジアの中央銀行総裁は5月に、ウクライナでの戦争に起因するエネルギー・食料価格の急騰で悪化した、チュニジアの公的債務や巨額の財政赤字を考えると、この10年間で3回目となるIMFとの新たな取り決めは「不可避」である、と述べている。
IMFのチームは3月に、同国が低成長・低投資、高失業率、大きな格差といった「大きな構造的課題」に直面していると表明している。
AFP