
ヌール・エル・シャエリ
カイロ:アラブ首長国連邦のフィットネス・プラットフォーム「エンハンスフィットネス」が、サウジアラビアへの進出を発表し、現在のトレーナー基盤を3倍に増やすことを目指している。
エンハンスフィットネスの創設者でCEOのターレク・ムニール氏は、アラブニュースの独占インタビューで、同プラットフォームには現在トレーナーが250人おり、今後24ヵ月で700人に増やすことが可能だと述べた。
「当社の戦略の最大の焦点は、少なくとも今後24ヵ月はサウジアラビアのみに絞られます。つまり、文字通りサウジアラビアのビジネスに全集中するということです」とムニール氏は付け加えた。
同社のプラットフォームは、ユーザーが自宅周辺や地域のジムから好みのトレーナーのセッションを予約することができるというものだ。
ムニール氏の説明によると、同社はジムやホテルや周辺地域からトレーナーを雇い、トレーニングセッションを運営していけるような適切なツールやソフトウェアを彼らに提供するのだという。
「そのため、ホテルやジムは当社の競合相手ではなく、クライアントだと考えています。当社が介入して、それらの責任の一部を負担するわけですから」
さらに、ユーザーはボディビルディング、総合格闘技、ヨガといった幅広いトレーニングやフィットネスに加え、同社クライアントであるジムやホテルなども追加料金無しで利用することができる。
ムニール氏は、膝の負傷を経験して2018年にこのプラットフォームを立ち上げたが、資格の透明性が欠けていたためにトレーナーと結びつけることができなかった。
エンハンスフィットネスは独自のアカデミーを通して、トレーナーが利用者にリーチしやすくなるように彼らに専門的なトレーニングや資格を与えた。
「当社にはトレーナーを養成する指導チームがあります。当社がデジタルプラットフォーム上にアップロードしている全体のカリキュラムも、その指導チームが開発しました」
「当社にはトレーニング用の社内プラットフォームがあり、トレーナーはハードなスキルであれソフトなスキルであれ、いつでも知識を向上させ続けることができます」とムニール氏は説明する。また、拡大戦略の一環として、同社はサウジアラビア人のトレーナーを多く雇い入れるつもりだという。
「当社はサウジアラビア人を大量に採用したいと考えているため、必ずしも個人トレーナーを探し出すのではなく、訓練を施して認定し、トレーナーとして使うことができるようなフィットネス愛好家を探し出すことが、私たちの使命の大きな部分を占めています」とムニール氏は語った。
新型コロナウイルスは、フィットネスの形を変えたという点でムニール氏のビジネスにとってはプラスの効果をもたらし、コロナ禍で健康への意識は10倍になったという。
「私たちは実質的にあらゆる人をトレーニングするようになりました。ZoomでもGoogle Meetでも、トレーナーはノートパソコンやデスクトップの画面、スマホやタブレットなどを開き、バーチャルトレーニングを開始することができるのです」とムニール氏は述べた。
新型コロナウイルス後、ムニール氏のビジネスは爆発的な伸びを見せ、年間成長率は3倍近いという。
同社は2021年、シリーズAの資金調達ラウンドで300万ドルを集めた。次のラウンドではさらに1500万ドルを調達し、湾岸協力理事会諸国や、英国、シンガポールへも進出しようと目指している。