
ソフトバンクグループ(SBG)は10日、中国電子商取引最大手アリババ集団の株式の一部を手放すと発表した。アリババの発行済み株式に対するSBGの保有割合は14.6%(6月末は23.7%)に低下し、持ち分法適用会社から外れる見通し。SBGは2022年7~9月期連結決算で、約4兆6000億円の税引き前利益が生じると試算している。
SBGは、投資先企業の価値が大幅に下落したことに伴い、4~6月期に国内上場企業として過去最大となる3兆円超の純損失を計上した。世界的に株式市場の先行き不透明感が依然強い中で、同社は財務面の「守り」を固める。
SBGは00年、創業間もないアリババに投資した。その後、急成長したアリババの株式はSBGの事業拡大を支える「虎の子」の資産となった。SBGは、アリババ株を担保にした先渡し売買契約によって資金を調達しているが、最近の市場環境の悪化を受け、株式を買い戻す権利を行使せず、現物決済することを決めた。決済は9月末までに完了するという。
時事通信