
日本の鈴木俊一財務相は金曜日、24年ぶりの対ドルでの円安を受けて、必要な場合には「適切な」対応をとると述べ、市場の変動に対処するために市場介入の可能性を示唆した。
鈴木氏は記者会見で「為替相場の変動は最近やや大きくなっている印象を受ける」と述べた。
「過度で無秩序な為替変動は、経済や金融情勢に悪影響を与える可能性がある」と同氏は述べた。「他国の通貨当局と緊密に連携し、必要な場合には適切な対応を取る」とも語った。
金曜日この発言に先立ち内閣官房長官は、当局は高い緊張感を持って為替の動向を注視していると再度警告していた。
松野博一官房長官は記者会見で「為替相場はファンダメンタルズに沿って、安定することが重要である。急激な変動は好ましくない」と述べた。
「最近の為替相場は変動が高まっており、政府は高い緊張感をもってその動きを注視している」と木曜日に述べたコメントを繰り返した。
木曜日の夜間取引でドルは対円で24年ぶりの高値である140.23円をつけ、米国の積極的な利上げ観測を背景に心理的に重視される140円の壁を抜けた。金曜日のアジア市場開始時のドル円相場は140.02円だった。
しかしながら、投資家は政府の口先での警告を軽く受け流している。現状の円安は日米の金融政策の乖離や金利差による経済のファンダメンタルズと一致しているからである。
米連邦準備制度理事会(FRB)は今月、物価上昇圧力を抑えるために大規模な利上げを継続すると予想される一方、日銀はいまだに低インフレで脆弱な経済を支えるために大規模な金融緩和を堅持している。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、「円安はファンダメンタルズに沿ったものであり、米国の急速な利上げが原因だ。この動きは止められない」と指摘する。
「142円までのさらなる円安が進むだろう。現段階ではドル売り介入や、日銀による利上げはこの流れを変えるには焼け石に水だろう」
日本ではドル売り介入は歴史的に稀で、当局は投資家が安全通貨の円買いに殺到する際には必ず円高を警告する傾向がある。円高は貿易に依存する日本経済の輸出競争力を低下させるからである。
日本が最後に円高を食い止めるために為替介入を行ったのは、2011年に東北地方を壊滅的な地震と津波が襲い、福島原発事故が発生し、安全通貨への逃避が引き起こされた時である。
ドル売り介入については、日本が最後に市場に介入したのは1997/98年のアジア金融危機の時である。
ロイター