
ニルマル・ナラヤナン
リヤド:S&Pグローバルが発表した最新の購買担当者景気指数のデータによると、サウジアラビアの非石油部門の経済成長率が8月に10カ月ぶりの高水準に達し、経済の多様化に向けた取り組みが着実に進んでいることが分かった。
サウジアラビアの購買担当者景気指数(PMI)は8月に57.7となり、7月の56.3から上昇し、2021年10月以来の高水準となった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの経済学者であるデヴィッド・オウエン氏は、「サウジアラビアのPMIは、世界的な経済危機の高まりが報道される中、企業活動や売上が急激に増加し続けたことから、8月の非石油部門の経済が回復したことを指摘した」と述べた。
彼は次のように付け加えた。「顧客需要の改善、輸出の増加、パンデミック以降の経済状況の幅広い回復によって、新規受注総数は昨年10月以来最も早いペースで増加した」
データによると、新規輸出受注の増加は、8カ月ぶりの高水準を記録した7月よりわずかに軟化した程度だった。
さらに、この発表では、非石油活動の改善により、8月に企業が投入資材の購買を拡大させたと述べている。
「購買の伸び率は、この7年間で最も高い水準に向かって加速した。これは、企業が現在の需要を満たし、さらなる売上増を見込んで在庫を増やそうとしたためである」と、S&Pの発表は付け加えている。
企業は、投入資材の需要増加という新たな圧力にもかかわらず、8月にベンダーの平均リードタイムが増加したことを記録した。
この発表によると、8月のサウジアラビアにおける雇用水準は5カ月連続で上昇した。これは、企業が従業員の能力を高めるためにさらなる努力をしたためである。
しかし、S&Pグローバルは、8月の雇用創出率はごくわずかであり、7月よりもわずかに低調であったと付け加えている。
発表では、世界の財・サービス価格水準が緩やかに横ばいとなっていることから、投入コストと生産価格が相応に低下したことと、8月の従業員の賃金が6カ月連続で上昇したことが示された。
一方で、サウジアラビアの燃料費は、今月は全く改善されていないことがPMIのデータで明らかになった。
S&Pグローバル・レポートでは、「供給インフレ率の低下は、特に8月に顕著であり、最新のデータでは前月比でシリーズ史上最も顕著な減速のひとつを示した」と述べられている。
先月は製造業、小売業ともに供給が減少した一方で、販売費の全体的な増加は今年2月以降で最も穏やかだった。
世界経済が停滞しているにもかかわらず、サウジアラビアの来年のビジネスへの自信は強く、新規受注が増加する見込みへの信頼がうかがえる。
S&Pグローバル・レポートによると、「3カ月ぶりの低水準に落ち込んだものの、楽観的な見方は過去1年半で最も強いものの1つであった」という。