
ワエル・マフディ
リヤド:トルコは、欧州へのエネルギーハブとなることを計画する中で、サウジアラビアやその他の国との協力強化を求めている。同国の財務相が語った。
ヌーレッディン・ネバティ財務相はアラブニュースのインタビューに対し、「トルコはその地理的位置から、ロシア、イラン、サウジアラビアからのエネルギー回廊となっている。
輸送・出荷される天然ガスや石油を、より安くより安全に運ぶことができる」と語った。
リヤドで開催された第6回未来投資イニシアティブの際に話をしてくれた同大臣は、両国がどのように協力するのかについてそれ以上は詳しく述べなかったが、地域の平和はエネルギーコストを低下させるだろうと指摘した。
「トルコとサウジアラビアは相互に支援しており、それによって地域に平和がもたらされる。その平和により天然ガス価格やエネルギー価格が低下すれば、両国は将来を見据えることができるようになるだろう」
サウジアラビアは世界最大の石油輸出国である。
天然ガス埋蔵量は約300兆立方フィートで世界第5位となっている。
しかし、天然ガスは輸出しておらず、国内の需要を満たすために生産を拡大し、発電における石油やその他の液体燃料の使用を廃止する方針である。
ネバティ財務相の発言は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が同国に天然ガスのハブを作ることでロシアのウラジミール・プーチン大統領と合意したと発表した1週間後になされたものだ。
エルドアン大統領は10月19日に国会で、自身が所属する公正発展党の議員らに対し、欧州はトルコのハブから天然ガス供給を受けることができるとプーチン大統領が発言したことを伝えた。
ネバティ財務相は、「欧州に目を向けると、彼らはロシアの天然ガスに依存しており、大きなストレスを抱えながら冬を越すことになる。
これは明らかであり、新たな措置や新たな仕組みが必要だ」と語った。
「エルドアン大統領が、トルコがハブとなってイランやロシアのガスを欧州に供給するために必要な措置を取るべきだと言ったのはそのためだ。そうすれば、地域における平和の確立に貢献でき、この輸送を安全に行える環境を作り出すこともできるだろう」
リヤド訪問中にはサウジの財務相や商業相を含む政府高官らとの会談をいくつか行ったネバティ財務相は、トルコが講じる措置は輸送コストを下げることでエネルギーコストの削減に貢献するだろうと語る。
「それは、世界をリセッションの瀬戸際に立たせている価格高騰の解決につながるだろう。そしてその意味では、大統領が言ったように、トルコは世界全体、特に欧州の天然ガス危機を緩和するための措置を講じるうえで、あらゆる責任を引き受ける用意があると解釈しても良い」
サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は、同じくリヤドの未来投資イニシアティブの際に、同国も欧州への石油輸出を増やしていると述べた。
王子によると、9月の出荷量は前月比で倍増しており、日量95万バレルに達している。
ネバティ財務相は、トルコには天然ガスの生産戦略があると語った。
「ご存知の通り、トルコは黒海で天然ガスを発見しており、重要な埋蔵量を有している。今後数ヶ月のうちにその天然ガスの利用を開始する予定だ」
サウジとトルコの協力
ネバティ財務相は、トルコはサウジアラビアとの経済協力の拡大を図っており、それは地域に恩恵をもたらすだろうと語る。
「今後、サウジアラビアとトルコの協力は当然ながら新たな協力分野を見出すことになる。また、サウジアラビアのビジョンおよびトルコのビジョン2023によって、我々は新たな世紀へと踏み出し、地域に平和と繁栄をもたらすことに貢献するだろう」
また、2030年の万博の招致を目指すサウジアラビアの試みをトルコは支持すると述べた。さらに、両国が協力してテロに対抗していることにも言及した。
サウジアラビアのマージド・アル・カサビー商業相は先週、TRTチャンネルに対し、サウジの対トルコ投資を総額180億ドルと推定しており、今後約30~50億ドルの新規投資を見込んでいると述べた。
ネバティ財務相は、エルドアン大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の最近の相互訪問は「両国にとって有益なことだ」と述べ、その結果として双方向の投資、ビジネス関係、貿易額が増加するだろうと指摘した。
トルコの経済成長
公式の数字によると、トルコ経済は2022年第2四半期に年率7.6%の成長を記録し、2022年上半期のGDP成長率は7.5%となった。昨年の経済成長率は11.8%だった。
「この成長率は、国内取引、対外貿易、バランスの取れた成長のおかげだ。比較的若い人口の意欲や、生産・製造のハブであることといった、国内の潜在力を示している」
ネバティ財務相は次のように説明した。トルコの経済モデルは投資、生産性、雇用に基づいており、今後のコモディティ価格やエネルギー価格の低下は「経常赤字の均衡化に貢献し、トルコが昨年以来直面しているあらゆる課題を解決することを可能にするだろう」
トルコの経済成長は、過去20年間のインフラに対する多額の投資に支えられているという。
トルコとサウジアラビアは相互に支援しており、それによって地域に平和がもたらされる。
その平和により天然ガス価格やエネルギー価格が低下すれば、両国は将来を見据えることができるようになるだろう。
「我々は、鉄道、高速道路、空港、海港といった大規模なインフラを完成させた。病院や、小学校から大学までの教育への投資を含め、あらゆるインフラを完成させたのだ」
トルコ経済の現地化水準は高く、防衛産業では過去には20%だったのが今では80%に達しているという。
トルコのインフレ
ネバティ財務相はこの成長が続くことを期待するが、インフレ率の上昇と為替変動が依然として課題であることを認める。
トルコのインフレ率上昇は、出荷コスト、輸送コスト、エネルギー価格に加え、昨年からコモディティ価格が上昇したことが原因だという。
「それでもインフレと闘うために人間に注目した。我々は成長を望んだのだ。製造や生産性を維持しつつ、人々が仕事を失わないようにしたい」
「ブレーキを強く踏み込んではいない。この問題をゆっくりと解決したい。幸いにもエネルギー価格に対する圧力は下がってきている」
「インフレについては世界規模の視点では捉えておらず、人間ベースのアプローチで見ている。人々が仕事を失わないようにしたい。失業を増やさないための取り組みを展開するつもりだ」
ネバティ財務相は12月からインフレが減速することを期待する。来年は「インフレ目標25%を掲げる予定だ。既に言ったように、解決のために断固として行動している」
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