
ジャカルタ、インドネシア
日本のソフトバンクがインドネシアの新首都開発に300~400億ドルの投資を提案していると17日、政府高官が明かした。
億万長者でソフトバンクグループの創立者である孫正義会長は、先週首都のジャカルタでジョコ・ウィドド大統領と面会した際、新首都の計画に投資し、インドネシア政府と提携する意向を示した。
孫氏と元英国首相トニー・ブレア氏は、アブダビのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子が会長を務めるボルネオ島の新首都建設を検討する審議会のメンバーに含まれている。
インドネシアのルフット・パンジャイタン海洋担当調整・投資調整大臣は記者会見で、ソフトバンクが300~400億ドルを提示しているが、具体的にどのプロジェクトに投資するかは今のところ明らかになっていないと語った。
「どのように投資するかはまだ決まっていませんが、投資先は教育、研究所、病院の開発などになるでしょう」とパンジャイタン氏は述べた。また同氏は今月下旬にダボスと東京で孫氏と面会し、計画をまとめる予定だ。
先週ウィドド大統領との面会後、孫氏はメディアに対し、「新しいスマートシティ、最先端技術、クリーンな都市、多くの人工知能」を支援することに興味があると述べた。
昨年の8月、ウィドド大統領はインドネシアの首都を人口過密、地盤沈下、大気汚染の問題があるジャカルタから、人口の少ないボルネオ島の東カリマンタン州に移転すると発表した。この島は熱帯雨林とオランウータンで知られる。
首都は、ジャカルタの4倍近い広さの25万6,000ヘクタールの場所に移転され、費用は466兆ルピア(3兆5,000億円)と見込まれている。政府は今年末に建設に着手する。
アジア、中東、米国、中国の投資家は新首都開発に関心を持っているとパンジャイタン氏は述べた。
大首都圏を含めると人口が約3,000万人にのぼるジャカルタは、地震や洪水を引き起こす危険にさらされ、無制限の地下水のくみ上げによって地盤沈下が進んでいる。
今月初旬に発生したモンスーンの豪雨と川の増水により、60人以上が亡くなり、50万人が住む場所を失った。
鉱物資源が豊富な東カリマンタン州は、かつて大部分が熱帯雨林に覆われていたが、違法な伐採によって原生林の多くは失われた。わずか350万人ほどが暮らす同州は、オランウータンや他の霊長類、哺乳類で有名なクタイ国立公園に囲まれている。
インドネシアは1万7,000以上の島から成る群島国家だが、現在は2億7,000万人近い人口の54%がジャワ島に暮らしている。ジャワ島はインドネシアで最も人口が過密する島で、ジャカルタもここにある。
AP通信