
ダニエル・ファウンテン
ダボス:サウジアラビアのデジタル協力機構(DCO)事務局長であるディーマ・アルヤヒヤ氏は、ダボス会議のパネルディスカッションの中で、デジタル経済における協調と人間中心のアプローチを促進することが、デジタル分野の将来における変革の鍵であると語った。
世界人口の大部分が依然としてインターネットにアクセスできない中、アルヤヒヤ氏は17日の世界経済フォーラムのパネルディスカッションの中で、世界は「国家間のデジタルデバイド」や「持てる者と持たざる者の間の不平等」を抱えている場合ではないと述べた。
「デジタル変革のスピードと、2030年までに世界の国内総生産(GDP)の70%を占めると予想されるデジタル経済の急速な拡大を考慮すると、今協力し合わなければ、大きなチャンスを逃してしまうでしょう」と述べた。
アルヤヒヤ氏は、アクセスが可能な地域であっても、経済的課題からデジタル経済に参加できない人々がいるケースが非常に多いことに警告を発し、この問題は一国、一政府、そして民間企業だけでは解決できないと述べた。
「グローバルでインクルーシブなデジタル経済を実現するためには、デジタルエコシステム内で適切な協力体制を構築する必要があり、DCOはそのための場を提供しているのです」とアルヤヒヤ氏は話す。
「デジタル経済なくして、どうやって繁栄するのでしょう。人々のQOLを高め、ビジネスのやり方を改善し、より効率化するために必要なものなのです」
「(デジタル経済が)無い生活を想像するのではなく、より多くの雇用を創出し、GDPを増加させるために、いかにテクノロジーをうまく活用するかに注力すべきです」と続けた。
さらにアルヤヒヤ氏は、新しいテクノロジーおよびその資金源となる投資の最前線において、人を軸とした開発を行うことも重要であると述べ、次のように語った。「人間を中心に据えることは、とても重要なことです。テクノロジーを使うことが目的ではないのです」
DCO加盟国への訪問を通じてアルヤヒヤ氏は、それぞれの国における優先順位について知った。ある加盟国では人口の20%しかインターネットにアクセスできないにもかかわらず、暗号資産に関する政策を策定している最中だったという。
これは間違ったアプローチであると彼女は警告する。
「私たちは何に賭けるべきなのでしょうか。これらの技術に注目し、誇大広告的な技術を追えば追うほど、こうした国の若者が自国に寄与するイノベーションを生み出すための、実際のインフラを見逃してしまうのです」
またアルヤヒヤ氏は、DCOやその他の組織は、デジタル経済内の新技術に関する政府の規制がイノベーションを阻害するのではなく、むしろ促進するよう支援している、と述べた。
「語り口と考え方を変えるべきです」とアルヤヒヤ氏は続ける。「テクノロジーが生まれれば生まれるほど、そして政府がそれを理解していないがために、テクノロジーの発展を妨げるような規制が行われるようになります。だから私たちは、民間企業が政策や規制の共同策定と設計に関与できるように努めているのです」と話した。