
ヌール・エル・シャエリ
カイロ:リヤドで2月6日に開幕した世界的なテックイベント、LEAP23の初日に、サウジアラビアは90億ドル規模の投資契約を締結した。
サウジアラビアのアブドゥラー・アル・サワハ通信情報技術大臣が、2月9日まで開催予定の同イベントのオープニング講演で、未来テクノロジー、デジタル起業、テックスタートアップの支援を目指すこれらの契約を発表した。
ハイテク大手のマイクロソフトは21億ドルを投資してサウジアラビアに超広域クラウドを整備する契約を結び、オラクルは15億ドルを投じて同国に新たなクラウドリージョンを設置することに合意した。
中国のハイテク企業華為技術(ファーウェイ)も4億ドルを投じてサウジアラビアでクラウドサービスを提供し、国営石油会社サウジアラムコはZoomと4億3400万ドル規模のパートナーシップを締結してクラウドエリアを設置する。
同イベントでは他にも、さまざまな部門の多種多様なグローバル企業や地元企業との間で45億ドル規模の契約が成立した。
これらの投資は、テクノロジー部門の強化というムハンマド・ビン・サルマン皇太子の目標に沿い、中東北アフリカ(MENA)地域最大のデジタル経済国としてのサウジアラビアの地位強化を目指すものだ。
アル・サワハ氏は、LEAP23カンファレンスの開催は、ビジョン2030に沿った急速な発展が見込まれる経済のデジタルランドスケープ化に向けた、サウジアラビア王国が導く多大な支援を世界的に確認するものであると述べた。
同カンファレンスではほかにも、メタが本部をサウジアラビアに置くMENA地域初のメタバースアカデミーを開設し、WEOテクノロジーとキャメルラボがマルチコンテンツソーシャルメディアアプリHektarをリリースするといった大型案件の発表が行われた。
また、MENAコミュニケーションとSTCは、インスタントメッセージ、高品質音声ビデオ通話、ビジネス機能を備えた新アプリケーション、Beemのリリースを発表した。
アル・サワハ氏は、デジタル経済、モノのインターネット、ヘルステック、定量的科学、宇宙と衛星、フィンテック、オープンソースなどの下位部門などからなる、皇太子が支援するテクノロジー部門には未曽有の機会が横たわっていると強調した。
同大臣はオープニング講演で、昨年は10万人が参加したこのイベントに今年は25万人以上が参加する予定であり、サウジアラビアが地域最大のテクノロジー市場で420億ドル規模の機会プラットフォームを擁することから、今後もより多くの投資が見込まれると述べた。
さらに、サウジアラビアはテック部門の労働者市場に34万人以上の人材を擁し、同部門の女性参加率は32.5%とEUやシリコンバレーの平均より高く、人的側面から見た技術労働力をリードし続けると述べた。
リヤド・フロント・センター・フォー・エキシビションズ・アンド・コンベンションズで開幕し、「新たな地平に向けて」と銘打たれたこのカンファレンスには、世界的ハイテク企業や地元ハイテク企業400社以上が参加している。