
東京:三菱重工は7日、課題が山積していた旅客機開発計画を中止すると発表した。当初の商用化目標から10年が経過した後の決断となった。
度重なる納入遅れや技術的な問題に見舞われていた同社の「スペースジェット(SJ)」について、「十分な採算が見込めない」と判断したという。
日本の航空業界にとって、2基のエンジンを備えた短距離用航空機の開発は新たな時代を告げるものだった。1962年以降、商用旅客機は国内で開発されていなかった。
しかし、2008年に「三菱リージョナルジェット」の名称で開発が始まった機体(当初の納入予定は2013年)は飛び立つ前から大きな問題を抱えていた。
空調システムの欠陥やソフトウェアの問題でテスト飛行が頓挫したこともあった。納入が遅れたことで設計の修正を迫られたりもした。
「世界のパートナーの理解や必要な協力を取り付けることが難しくなり」、設計承認のために「余分な資金」が必要になったと同社は説明している。
北米の規制やパイロット不足に加え、「脱炭素化のソリューション」を見出す必要もあり、プロジェクトの障害になったという。
日本政府やトヨタなどの大企業も支援していたプロジェクトは、2019年に「スペースジェット」に名称変更した。
今回の決定は「当社の決算に大きな影響を及ぼすことはない」と三菱重工は述べている。
AFP