• このパートナーシップは、AHOYの製品およびサービスをサウジアラビアで発売することを目的としている。

ヌール・エル・シャエリ

カイロ：サウジアラビア公共投資基金（PIF）が支援するiot squaredとアラブ首長国連邦（UAE）のAHOY Technologyが提携し、AHOYが提供するIT関連製品のソフトウェアライセンスと再販権をiot squaredが取得することで、サウジアラビアのモビリティ分野は恩恵を受けることになる。

このパートナーシップでは、技術インフラ、ソフトウェア開発キット、プログラミング・インターフェースを含むAHOYの包括的な製品・サービス群をサウジアラビアで発売することを目指す。サウジアラビア企業iot squaredは、PIFとetc Groupの合弁事業である。

アラブニュースとのインタビューで、AHOYの最高経営責任者（CEO）ジャミル・シナウィ氏は、同社とiot squaredとの提携の見通しについて楽観的な見解を示した。

シナウィ氏は、政府系投資ファンドが支援するiot squaredを、AHOYのサウジアラビアにおける「目、耳、感覚」であると表現した。「iot squaredは大きな目的を持っているだけでなく、驚異を生み出す能力を十分に備えた素晴らしい世界クラスのチームも持っています」

さらに、AHOYには困難なプロジェクトに取り組み、サウジアラビアのビジョン2030構想の成功に貢献する資質が十分にあると語った。

 AHOYは、データ、洞察、インテリジェンスを通じて、効率的で無駄のない自動化されたムーブメント運用ソリューションを構築するために必要なツールを開発者に提供するユニークなディープテック企業である。

シナウィ氏は、サウジアラビアは現在、「驚くべき」変革を経験しており、社会経済的水準、産業水準、技術水準で進化していると語った。

AHOYは、航空やモビリティなどさまざまな分野で、PIFの支援を受けたプロジェクトなど複数のプロジェクトに携わっており、「AHOYは、このような変化のきっかけになる存在だと考えています」と語った。

AHOYは、サウジアラビアの首都リヤドにこの地域の事業を担当するオフィスも設立している。

IT関連製品

AHOYのライセンス製品の中でひときわ目立つのがSaaSプラットフォーム「COMET」で、物流プラットフォームを最適化してシームレスに統合し、エンドツーエンドの効率化を確保する。PaaS（プラットフォーム・アズ・ア・サービス）ソリューション「FLY+」は、リモートチェックイン、ドアツードアサービス、置き去りにされた荷物の効率的な処理など、旅行体験のスマート化を提供する。

さらに、AHOYの「Movement Studio」テクノロジーインフラが、オーダーメイドのソフトウェアツールの開発を容易にし、未来的なソリューション、システム、アプリケーションを手頃な価格で迅速に作成できるようにする。これらのソリューションは、ムーブメントとルーティングを正確に調整し、企業や複雑な商用グレードのアプリケーションのニーズに応える。

チャンス

シナウィ氏は、サウジアラビアによるテクノロジーとイノベーションへの積極的な投資は、AHOYにとって大きなチャンスだと認識している。AHOYは今後数年間で、サウジアラビアで100社の新規顧客を獲得することを目標としている。

創業以来、AHOYの収益は1,600万ドルを超え、昨年には黒字化を達成した。

 「2018年から現在までに6,000万リヤル（1,600万ドル）近くを調達しました。この資金を、テクノロジーの構築、拡張性を実証するためのユースケースの限定的な運用の開発と実施に使用してきました」とシナウィ氏は説明した。

シナウィ氏はアラブニュースに対し、2023年の最初の5か月間でAHOYは昨年の収益を上回ったと語った。

AHOYは2019年にエンジェルラウンドで約100万リヤル、2020年に1,200万リヤル、2022年に4,500万リヤルを調達した。

シナウィ氏はまた、2023年にシリーズDラウンドで追加資金を確保する計画も明らかにした。そして、AHOYは評価額100億ドルに達し、この地域初のデカコーン企業となることを目指していると付け加えた。

AHOYはすでに世界60か国で事業を展開し、グローバルプレゼンスを拡大中で、18か月以内に世界的なユーザーベースを確立することを目指している。さらに、年末までに120の地域で事業を展開することを目指している。

「私たちは、世界に100人近い従業員を抱えていますが、将来的にも120人を超えることは望んでいません。当社の構造における成長要件は、子会社であるスピンオフ会社で発生します」とシナウィ氏は説明した。

今後の戦略

シナウィ氏はまた、2023年に人工知能（AI）を用いた自律型の指揮制御およびプランニングオーケストレーターを発売することも明らかにした。この新製品によって、運用管理の効率は何倍にもなるという。

さらにAHOYは、交通、水、データ管理をターゲットとしたニューラルネットワークベースのソリューションの開発を積極的に進めている。

ダイナミックなムーブメントを合理化し、開発者、実装パートナー、システムに装備を提供するフレームワークを提供することで、テクノロジーのギャップを埋めようと全力で取り組んでいる。

シナウィ氏は、経済の原動力だと考える中小企業の成長を支援することを信条としている。

「中小企業は私たちの情熱です」とシナウィ氏は語った。「サウジビジョン2030のような革新的なビジョンにはテクノロジーによる持続可能な開発が必要であり、AHOYはこの崇高な大義と、人類と生命の進化に貢献するあらゆるプレイヤーの支援に積極的に取り組んでいきます」

さらに、AHOYはスマートシティ、人や物の流れ、AIや機械学習など、ビジョン2030の発展をサポートするのに最適な企業であると述べた。