
トヨタ自動車は14日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。事前に一部海外勢が豊田章男会長の取締役選任に反対する動きもあったが、豊田氏や佐藤恒治社長ら10人の選任など会社側提案の3議案は賛成多数で可決された。このほか、欧州の運用会社3社が出した脱炭素に関する株主提案は否決された。
取締役選任を巡っては、米議決権行使助言会社グラスルイスが「十分な数の独立した取締役がいない」として、豊田氏の選任に反対するよう株主に推奨。米公的年金基金のカリフォルニア州退職年金基金(カルパース)が事前に反対票を投じ、注目が集まった。
18年ぶりとなる株主提案は、トヨタの脱炭素に関連する会社としての渉外活動について、毎年度評価し報告書を出すなど情報開示の強化を求める内容。会社側は反対を表明していた。
質疑応答では豊田氏の取締役選任の是非に関する質問、発言はなかった。海外投資家の株主提案には「来年も提案するのでは」と反感を示す株主もいた。
4月に会長に就いた豊田氏は総会の議長を務めるのが今回で最後。14年近い社長在任期間を振り返り、声を詰まらせながら「私が前に進めたのはずっとトヨタを応援し、私を支えてくれた株主のおかげだ」と謝意を示した。
出席株主は3774人(前年は934人)と4倍に急増。1時間56分(同1時間53分)で終了した。
時事通信