
リヤド:モロッコの水の安全保障は世界銀行が3億5,000万ドルの灌漑計画への融資に同意したことにより強化されることとなる。
この基金はこの北アフリカの国家での、給水ネットワークにおける2,500万立方メートルの飲料水の保全を目的とした活動の一部を支援することになる。
この活動には、当該分野のガバナンスの強化、財政的持続可能性と水利用の効率化の改善、非伝統的な資源の一本化を可能にすることなどが含まれる。
「天然資源、とりわけ水へのアクセスを提供しつつ、資源を保護することは、モロッコにおける持続可能な未来を構築する上で不可欠です」と世界銀行のマグレブとマルタ担当のカントリーディレクターであるイェスコ・ヘンチェル氏は語った。
氏は次のように付け加えた。「そのために、この新計画はモロッコに暮らすすべての人々の水の安全保障を強化することを目的としており、水分野での30年の未来像を描く国家の水計画の更新と採用のための支援を提供します。」
さらに2030年までに530万立方メートルの処理済みの廃水を再利用可能にすること、もしくは目標である1億立方メートルの52%の達成を目指すと報告書は付け加えた。
この取り組みは世界銀行の、特にジェンダーと気候変動の分野における中東および北アフリカ地域での戦略的優先事項に沿うものだ。
また、この計画は世界銀行によるモロッコの国別気候・開発報告書における勧告の実施も円滑化する。
「この計画はモロッコ政府による水の価値認識を強化し、水のバリューチェーンに沿ったコストの透明化を進め、不足する水資源のより効率的で合理的な利用を奨励する取り組みに貢献することでしょう」と世界銀行の水資源管理専門家のトップであり計画の共同リーダーであるマーカス・ウィシャート氏は語った。
この資金提供を発表するプレスリリースによれば、モロッコは気候変動のホットスポットであり世界で最も水不足に悩む国のひとつである。
プレスリリースはさらに「水不足によって顕著な経済的制約が課されており、2030年までに1人あたりの年間の水量5億立方メートルという絶対閾値にモロッコが近づくにつれ悪化すると予想されます」と付け加えた。
「気候変動によってモロッコの水の安全保障に加速度的・連鎖的な影響がもたらされる可能性があります。」
報告書はさらに、この計画は処理ずみの廃水の淡水化と利用を可能にする諸条件を強化することも目指すと言及した。