
東京, アラブニュース
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が22、23の両日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれる。新型コロナウイルスによる肺炎拡大が世界経済に及ぼす影響について、話し合われる見通しだ。有識者2人に聞いた。
◇G20、肺炎拡大防止へ努力=篠原尚之元財務官
―世界経済の現状は。
今年に入って底を脱し、少し上向きになっていた。米連邦準備制度理事会(FRB)の3度の利下げで米景気は底堅い。米中貿易摩擦は解決していないが、「第1段階」合意で最悪の状態を脱し、金融市場は好感した。
―そこに新型肺炎が起きた。
細菌学者がいつ止まるのか予想してくれないと経済的影響は測りようがないが、かなりマイナスの影響が大きいだろう。
―20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の焦点は。
目新しい議題は新型肺炎しかない。「世界的な拡大防止へ努力しよう」と前向きなトーンを出すほか、医療・技術支援も何か言わざるを得ない感じはする。
―対応策の議論は。
経済的影響への対応策の議論は少し時期尚早な気がするが、「今後の動向を踏まえ、必要に応じて財政・金融政策を行う」などとうたうのではないか。
◇個別の政策対応確認へ=河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミスト
―20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の見通しは。
米国と中国の貿易摩擦は「第1段階」合意に達したので、新型肺炎の経済への影響が焦点になるのは間違いない。米中合意を評価するとともに、想定外の景気下振れが起きた場合は、国・地域ごとにできる限りの対応を取るべきだと確認することになるだろう。
―世界経済をどう見るか。
昨年10~12月の段階でIT分野の調整が終わり、持ち直し始めていた。3度の米利下げや中国の財政・金融政策が効いたからだ。だが、新型肺炎の影響で今年1~3月の世界の景気は激しく落ち込むだろう。
―影響は長引くのか。