セブン&アイ・ホールディングスは1日、傘下の百貨店そごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却したと発表した。売却額は8500万円。そごう・西武の企業価値2200億円をベースに、同社や同社グループの有利子負債などを差し引いて算定した。
また、そごう・西武の代表取締役に同日付でフォートレス日本法人の劉勁氏が就任したことも判明。田口広人社長は代表権のない社長となった。
セブン&アイとそごう・西武労働組合との激しい対立は収束に向かうとみられる。セブン&アイは今後、主力のコンビニ事業の成長戦略に集中するとともに、スーパー子会社イトーヨーカ堂の再建に本腰を入れる。
セブン&アイはそごう・西武に対する債権放棄などを行い、譲渡関連損失約1331億円を計上する。2024年2月期の連結純利益予想を2850億円から2300億円に下方修正し、過去最高益予想は一転減益となる見通し。
フォートレスは経営への関与を強め、連携する家電量販大手ヨドバシホールディングス(東京)の主要店舗への出店などを通じ、不振が続くそごう・西武の立て直しを急ぐ。ヨドバシは旗艦店西武池袋本店(東京都豊島区)の土地などを3000億円弱で取得する方針だ。
セブン&アイは昨年11月、そごう・西武をフォートレスに売却すると発表。しかし、百貨店事業や雇用の継続を求めるそごう・西武労組と対立。先月31日に臨時取締役会で売却を最終決定する一方、労組側は同日、池袋本店で百貨店では61年ぶりのストライキを終日決行した。
時事通信