
リヤド:サウジアラビアの財政見通しは当面堅調であり、2016年の開始以降着実に経済の多角化を進めてきたビジョン2030がその主な原動力となっている。国際通貨基金(IMF)が述べた。
IMFはプレス声明の中で、サウジアラビアがG20諸国の中で最も経済成長率が高く、全体として8.7%の成長率を達成したことを指摘した。
また、サウジアラビアは十分な外貨準備高を有しており、為替レートの米ドルへの固定は同国経済において十分に機能しているとした。
さらに、世界の多くの国がインフレ圧力に苦しむ中、サウジアラビアは平均消費者物価指数の維持に成功したと指摘した。
「2023年初頭には前年比3.4%まで上昇したものの、2023年5月のヘッドラインインフレ率は前年比2.8%に戻っている。これは輸送費と食品価格による寄与の減少が家賃の大幅上昇を相殺したためである」
サウジアラビアは経済多角化目標に沿って、サウジ・グリーン・イニシアティブや中東グリーン・イニシアティブなどの様々なイニシアティブを通して地域のエネルギー移行の先頭に立っている。
IMFは、サウジアラビアの持続可能性に向けた取り組みの進展を確認したうえで、2060年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを達成するという目標に沿った排出量削減の取り組みを称賛した。
また、サウジアラビアのビジョン2030の一環として同国政府が行っている非石油収入の動員努力を歓迎した。
IMFは、サウジアラビアの2022年の非石油GDPは、堅調な民間消費と卸売・小売・建設・運輸など様々な部門への投資に牽引され4.8%の成長を記録したと指摘した。
また、同国の2023年の非石油国GDPは、旺盛な消費支出に後押しされ4.9%成長すると予測した。
総合統計庁(GASTAT)が8月に発表した報告書によると、サウジアラビアの7月のインフレ率は6月の2.7%からさらに低下し2.3%となった。
IMFはまた、サウジアラビアが失業率を歴史的な低水準にまで低下させ(2022年は8%)、女性の労働力を増やし、銀行部門を強化することにに成功したことを称賛した。
さらに、フィンテックのハブとしてのサウジアラビアを宣伝するためにサウジ中央銀行(SAMA)が行っている努力を歓迎した。