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イスラエル・ガザ:SNSユーザー、メタのインスタグラムが親パレスチナ的投稿を検閲していると非難

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16 Oct 2023 08:10:21 GMT9
16 Oct 2023 08:10:21 GMT9

タレク・アリ・アフマドナディア・ファウル

ロンドン/ドバイ:ソーシャルメディアユーザーらは、イスラエルがガザ地区に対し激しい空爆を行っていることを受けて親パレスチナ的な投稿をしたことを理由にアカウントが制限・凍結されたと訴えている。

X(旧ツイッター)やティックトックをプラットフォームとするパレスチナ専門ニュース・分析アカウント「モンドワイス」は、そのティックトックのアカウントが一時的に削除されたと伝えた。

一部のインスタグラムユーザーも、アカウントが制限されたりライブ配信ができなくなったりしたと訴えている。

ロンドンに住むあるユーザー(嫌がらせを恐れて匿名を希望)はアラブニュースに対し、パレスチナに関するインスタグラムストーリーをいくつか投稿したと語る。それらは数時間でせいぜい5回しか閲覧されていなかった。

しかし、スカートの写真を投稿すると、40分で閲覧回数が91回に達したという。

しかし、スカートの写真を投稿すると、40分で閲覧回数が91回に達したという。(インスタグラム)

親パレスチナ的なアカウントを持っている他の何人かのユーザーは、インスタグラムでこの問題への注意を喚起した。

別のユーザー(アカウント名を伏せることを希望)は、次のように言うストーリーを投稿した。「さて、この1時間で私のストーリーを見た人は文字通り1人もいない」

「それなら、これを試してみよう。#FreeIsrael 」

親パレスチナ的なアカウントを持っている他の何人かのユーザーは、インスタグラムでこの問題への注意を喚起した。(インスタグラム)

彼女はその直後にパレスチナの国旗とともに別のストーリーを投稿し、先ほどの投稿は5分で40人に閲覧されたと言った。「このプラットフォームで投稿を見てもらいたければ #FreeIsrael を付けて投稿したらいいみたい」

しかし、スカートの写真を投稿すると、40分で閲覧回数が91回に達したという。(インスタグラム)

親パレスチナ的アカウントが標的となったのは、イスラエルがガザ地区の包囲を開始した後のことだった。イスラエルのイスラエル・カッツ・エネルギー相は、ハマスが作戦中に捕らえた人質が解放されるまでは「電気は通さず、給水栓は開かず、燃料トラックも入れない」と述べた。

パレスチナのデジタル権利団体「7amleh:ソーシャルメディアの進歩のためのアラブセンター」のエグゼクティブディレクターで共同創立者のナディム・ナシフ氏は、アラブニュースに対し次のように語る。「7amlehは、パレスチナ人のコンテンツがいかに主要オンラインプラットフォームによって過度に検閲・調査されているかを繰り返し記録してきた」

「例えば直近だと、メタによるダブルスタンダードが見られた。ここ最近のエスカレーションに関連した(…)アラビア語の包括的なハッシュタグの検索結果を非表示にしたにもかかわらず、それに相当するヘブライ語のハッシュタグには同様の対応を取らなかったのだ。優遇されている国家主体によって主に使用されているハッシュタグだからだ」

メタは、一方の味方をするために、あるいはパレスチナ人の声を封じるために検閲が行われているとの主張に反論している。

メタの広報担当者はアラブニュースに対し次のように語った。「弊社が特定のコミュニティーや見解を抑圧しようとしているとの指摘がありますが、断じて事実ではありません」

「私どものポリシーは、弊社のアプリを使用される方々の安全を確保しつつ、全ての人に自分の意見を表明する機会を与えることを目的としています。私どもはこれらのポリシーを、誰が投稿するかや個人的信条に関係なく適用しています」

メタは最近、各アカウントに対して行っている措置のリストを掲載した記事を公開した。

この記事で言及された点の一つは、「通報されるコンテンツの量が増えているため、ポリシーに違反していないコンテンツも誤って削除される可能性があります」というものだった。

メタとのその子会社(フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップ)が検閲やシャドーバンニングで非難されたのはこれが初めてではない。シャドーバンニングとは、ソーシャルメディアサイトやオンラインフォーラムのユーザーを、ユーザー自身に知られないようにブロックする行為を指す言葉で、典型的にはそのユーザーの投稿やコメントが他のユーザーから閲覧できないようにすることで行われる。

ナシフ氏は次のように語る。「特定のメディアプラットフォームはパレスチナ人のデジタル権利を保護していないと我々は思っているので、我々のコミュニティーを通してそれらのプラットフォームに圧力をかけるべく取り組んでいる。それらのソーシャルメディアに、人権に対する自分たちの役割と責任を認めさせること、そしてそれらから差別をなくすことが目的だ」

アラブニュースは以前、2021年のシェイク・ジャラーのデモの際に親パレスチナ的感情を含むアカウントが検閲されたことを報じた

メタはその後、7amlehなどの団体と協力してこの問題に対処した。

ナシフ氏は語る。「メタは、シェイク・ジャラー(のデモ)中のパフォーマンスの評価を受けて、7amlehやその他の市民社会組織と協力して人権への影響を軽減することに取り組んだ」

「しかし、状況は依然として厳しい。パレスチナ人の意見や事実報告の多くが、メタのポリシー違反として不釣り合いに標的にされているからだ」

モンドワイスのパレスチナニュース責任者であるユムナ・パテル氏は次のように語る。「メタやティックトックなどのソーシャルメディア大手が、パレスチナを支持する人々や、イスラエル占領軍による犯罪を報じるオルタナティブニュースメディアなど、パレスチナ人の声に対し検閲を行っていることについては、十分な裏付けがある」

「今のように暴力が高まってパレスチナに国際的な注目が集まる時には、投稿が違反とされる頻度が増えることが多い」

「2021年のシェイク・ジャラーのデモの時も、2023年にイスラエル軍がヨルダン川西岸地区のジェニンを急襲して多くの死者が出た時も、パレスチナ人のインスタグラムアカウントが検閲された。イスラエルがガザ地区に対する戦争を宣言した今もそうだ」

インスタグラム上で有名なパレスチナ人のアドナン・バルク氏は、インスタグラムから送られてきたガイドラインをシェアした。そこには、同氏のコンテンツとプロフィールは非フォロワーに対しては表示されない可能性があると書かれていた。

同氏はこの投稿に次のようなキャプションを付けた。「ライブ配信をブロックされた。人種差別的な @instagram をやめて大人になれ」

ユーザーらはシャドーバンに対抗するために、メタのガイドラインをかいくぐる方法が書かれたメモを拡散させた。「パレスチナに関する投稿のリズムを他のコンテンツで崩すこと、できれば自分のギャラリーから投稿し、プラットフォーム自体から再投稿しないこと」といったものだ。

ユーザーらはメタのガイドラインをかいくぐる方法が書かれたメモを拡散させた。(スクリーンショット)

欧州委員会も、Xに対しハマスとイスラエルに関連した偽情報について警告を発したうえで、この夏に同社に対する調査を開始した。

この時、EUはXに対し、24時間以内にこの問題に対処しなければデジタルサービス法に基づいて罰金を科すと伝えた。

ティックトックの周受資(ショウ・ジ・チュウ)CEOは12日、欧州委員会から、イスラエルとハマスをめぐる出来事を取り巻く問題に関する暴力的コンテンツや偽情報からティーンエイジャーをどのように保護しているかを24時間以内に示すよう求められた。

イスラエルがガザ地区に対する地上侵攻の準備を進め、同地区の住民に対し24時間以内に退避するよう求める中、多くのソーシャルメディアユーザーが、コンセントに電気が来ていないとか、激しい空爆が続いているといった、自分の最後の言葉になることを覚悟した投稿を行っている。

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