
アラブ・ニュース
ドバイ発:レバノン人デザイナー、エリー・サーブ氏は土曜、パリファッションウィークで最新コレクションを披露した。作品を買いに来た富裕層は、色味を抑えたモノクロームのドレスが並ぶキャットウォークでは珍しく、生き生きとしたカラーの作品を鑑賞した。
サーブ氏の2020~21年秋冬物プレタポルテは、大半がモノクロームのテーマで統一され、差し色にシーグリーンとエレクトリックな群青色が使われていた。また、このデザイナーは通常、肌を露出するデザインが多いが、このコレクションは、ボリュームのあるフレアパンツとオーバーサイズのコート(フルスカートのプロポーションになる)というカバー率の高いデザインを採用していた。
一方ではサイハイブーツと組み合わせたマールの「スコート」(ショート丈のパンツ兼スカート)など、女性らしいスタイルも多かった。それでも、オーバーサイズの袖と身頃でモデルの体を圧倒するかのような外観のスタイルも、ところどころ交じっていたとAP通信は報じた。
この新しいコレクションでは、オーバーサイズでぴょこぴょこ揺れる絹のボウから小さくかっちりしたボウまで多彩なボウも大きな特色となっていた。これらは、これまでのシーズンよりも落ち着いたレトロな外観のモチーフとして登場し、顔のベールやフレアタイプのカフス、フラウンスなど、ディテールにこだわりが見られた。
重役会議室向けのファッションが、サーブらしい見事なイブニングドレスの展示の良いアクセントとなっていた。ドレス作品は多かったが、白黒のツイードスカートと灰色の織りジャケットに、会場に詰めかけたセレブやファッションインサイダーが関心を寄せていた。
サーブ氏の最新作の発表で、レバノンのインフルエンサーであるラナ・エルサヒーリー氏からナタリー・ファニ氏まで、この地域のファッションリーダーが勢ぞろいした。
ブロガーの両氏はInstagramのストーリーでこれらのファッション商品を記録し、両氏で合わせて110万人のフォロワーに、サーブ氏がキャットウォークで披露したドラマチックな最新トレンドを漏れなく紹介した。
フェザー使いがコレクションに復活し、床に引きずるようなガウンドレスの全丈にわたってモノクロの羽毛が飛び出す意匠が施されていた。このデザイナーでは典型的なチュールに対する愛情もたっぷりと示されていた。刺しゅう入りの真っ赤なチュールガウンを着て歩くモデルは、会場を埋める黒っぽい服の海を割るかのようで目を引いた。
最新ショーの実行に踏み切ったサーブの決定は、フランスのデザイナー、Agnès b.(アニエス・ベー)とは実に対照的だ。Agnès b.は、パリファッションウィークのプレゼンテーションを「現在の国際的な健康状況を考慮して」見合わせると発表した。
このメゾンの声明によると、代わりに「男女の2020~21年冬コレクションのフィルムと写真を3月3日火曜にオンラインで公開する」という。
パリのファッション連盟は今週、(伝染病)流行を理由に6社の中国ブランドが、パリで予定されていたイベントをキャンセルしたと発表した。「マーシャ・マ(MASHA MA)」「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」「ユマ ワン(UMA WANG)」「ジャレル ザン(JAREL ZHANG)」「カルバン ルオ(CALVIN LUO)」「メゾン マイ(MAISON MAI)」が参加を取りやめ、通常は切れ間なく続くショー予定にギャップが生じた。