
東京:日本航空(JAL)のエアバスA350が着陸中に海上保安庁の飛行機と衝突、海上保安庁の飛行機に搭乗していた5人が死亡したが、旅客機に搭乗していた379人は全員避難した。
1月2日に東京の羽田空港で発生し、両機が炎上した衝突事故について、現在までに判明していることは以下の通り。
日本政府が公開した通信記録によると、北海道から到着したJAL-516便は、午後5時44分56秒に管制官から「滑走路34R」への着陸を許可された。
滑走路上にいた海上保安庁の航空機JA722Aはその15秒後、「C5誘導路ホールディングポイント(停止位置)へタキシング(地上走行)」するよう指示された。ホールディングポイントは滑走路の端から少なくとも50メートル離れている。
JA722Aのパイロットは直後にこの指示を復唱した。
約2分後、JAL-516便が着陸し、その際に海上保安庁のDHC-8機に衝突した。これは海上保安庁の機体が滑走路に進入していたことを示唆している。
JA722Aの唯一の生存者である宮本元気機長は、事故直後に「離陸許可を得ていた」と述べたとNHKが報じている。
JALの乗務員は相手機を「視覚的に確認」することはなかったが、一人が衝突直前に「物体」を発見したと、同社広報担当者が4日、AFPに語った。
捜査当局はまだ公式に結論を出していない。
海上保安庁機のフライトレコーダーおよびボイスレコーダーは見つかっており、JAL機のフライトレコーダーも見つかっているが、ボイスレコーダーは見つかっていない。
「この事故に関する徹底的な調査が終わるまで、何が実際に起きたのかを正確に知ることはできない」と、グリフィス大学の航空専門家、ギド・カリム・ジュニア氏はAFPに語った。
「一般的に、このような事故は常に複数の要因が互いに影響を及ぼし合って起こるものであり、単に人的ミスや技術的誤作動のみにその原因を求めることはできない」と彼は言った。
JAL機が滑走路を走行中に、オレンジ色の火の玉と黒煙が発生した。海上保安庁機は、事故のビデオ映像でははっきりとは確認できない。
乗客が撮影した映像には、機内で炎が立ち上がり、煙が充満し、赤ちゃんが泣き、人々がドアを開けるように叫んでいる様子が映し出されていた。
機内にいた9人の客室乗務員は、非常口を開けるためには許可が必要なことから、主任がコックピットに火災を報告、その許可を得たとNHKが報じている。
国際ルールでは、航空機は非常口の半分を使用して、90秒以内に完全に避難できなければならない。
今回の場合、非常口は8つあったが、火災のため使用できたのは前方2つと左後方1つの計3つのみだった。
機内連絡システムが機能しなくなっていたため、コックピットは後部出口の使用を許可できなかったとJALは述べている。
しかし、後方にいた乗務員は、乗客が後部ドアから緊急に降りる必要があると判断し、訓練通りにドアを開けた。
12人の乗務員は拡声器と自分の声を使い、367人の乗客全員を誘導し、緊急スライドで機外に避難させた。
避難には全員で18分かかり、午後6時5分、パイロットが最後に滑走路に降り立った。
負傷者は2人だけだった。
その直後、機体全体が炎上し、数十台の消防車が消火にあたった。その作業は最終的に8時間かかった。
専門家は、少なくとも1匹の犬と1匹の猫を含め、乗客が飛行機内の荷物を残して避難したことは注目に値すると述べている。
「乗客は教科書通りの指示に従ったようだ」と、シンガポール経営大学の航空業界専門家テレンス・ファン氏はAFPに語った。
「これはまさに避難方針が求めていることだ。結局のところ、機体自体が炎上を耐え抜くことは意図されていない」
AFP