
1935年に建てられた日本最古のモスクである神戸モスクが、聖なる月であるラマダン(断食月)を迎えるにあたり、世界中の人々が交じり合い礼拝を行う。
神戸市中央区中山手通にある3階建てのモスクは、チェコの建築家ヤン・ヨゼフ・スヴァーグルの設計によるもの。一階には中央礼拝堂があり、白大理石のミフラーブ(聖龕)とミンバー(説教壇)がある。
建物内のイスラム文化センターでは、イスラム教に関する勉強会や一般的な情報も提供している。1936年の神戸モスクの報告書によると、この建物は1935年8月2日金曜日にフェロズッディーン氏によって、”多くの国から集まったムスリムの紳士淑女の集まり”を前に開かれた。
1935年10月11日の午後には、約600人の招待客がモスクの建物を訪れ、その日の夕方、彼らはトアホテルに集まり、盛大なレセプションが開かれたという。
当時の神戸市長であった勝田銀次郎は、同じ報告書にメッセージを伝えている。
「神戸市長として、神戸ムスリムモスク委員会の皆様にモスクの開館を心からお祝い申し上げます。このモスクは日本で最初に建てられたイスラム教のモスクであり、神戸の誇りであります。新しいモスクの外観は、神戸のような国際都市にふさわしいものです」と述べ、
「この新しいモスクは、神戸だけでなく、日本の他の場所に住むムスリムの人々にも礼拝の場を提供するでしょう」と語った。
勝田氏はさらに、「この新しい礼拝所が、ムスリムと日本の友好の絆の新たな強力な橋となることを切に願っています 」と付け加えた。
89年の歴史を持つこのモスクは、第二次世界大戦と1995年の阪神・淡路大震災を無傷で乗り切ったことで、さらなる知名度を得た。