
東京:訪日観光客の数がパンデミック前の水準に戻り、地方自治体は観光客増加への対応を取らなくてはならなくなっている。人気の観光地である京都では、一部の通りで観光客の通行を禁止しており、日本の霊山である富士山でも、頂上を目指す人々の数を制限せざるを得なくなっている。
ユネスコ世界遺産に登録されている富士山は、日本の象徴であるだけでなく、文化や歴史においても不可欠な存在である。近年では18世紀初頭に最後に噴火した活火山でもある。
デジタル時代に入ると、富士山はロマンチックで精神的な側面を持っているという考えが世界中に浸透し、夏には国内外の観光客が山に集まり、3776メートルの頂上に登る。
良くも悪くも登り方は比較的簡単で、日本の高齢者も7月と8月の短い公式登山シーズンに登山する。5合目のいくつかの地点から登山ルートがある。
山梨県の長崎幸太郎知事は月曜日、日本外国特派員クラブで記者会見し、5合目に初の試みとなるゲートを設置して登山時間を制限、山頂までの通行料2000円(13ドル)を徴収することについて語った。
長崎氏は「登山者の数はパンデミック前のレベルに回復し、今では頂上付近で過度の混雑が見られる。いわゆる“弾丸登山”をする人も多い。外国からの登山者が増えており、沿道でのたき火や昼寝といったマナーの欠如も見られる」と述べた。
「ドミノ的に何らかの事件が起こる可能性を非常に懸念している。高山病や低体温症になる危険を冒して、休みも取らずにまっすぐ頂上に登ろうとする弾丸登山者についても心配だ」
長崎氏は山梨県が課そうとしている制限は、主に登山者の生命を守るためのものだと話す。パトロール隊に危険な行動や反社会的行動を管理する権限を与え、1日の登山者を4000人までとする。
ユネスコの否定的な報告書も山梨県に行動を促すこととなった。ユネスコは、過度な混雑、駐車場などのインフラの一部が目立ち、環境負荷が大きすぎると警告していた。
「ユネスコが強調した3つの問題を解決するために何か手を打たなければ、富士山はいつの日か世界遺産の地位を失う危険にさらされるかもしれない」と長崎氏は語った。「富士山を中心とした地域、山梨県全体をどのようにして保存していくのが良いのか、今後も意見を結集し、100年先を見据えて取り組んでいきたい」