
日本、川崎: マグロの刺身や寿司を美味しくするのは脂ののった霜降りであることは、魚介類が好きな人なら知っている。
通常、巨大なノコギリのようなナイフで尾の部分を切り、1匹あたり約60秒かかる作業を数人で行い、マグロの脂の乗り具合を判断している。
しかし、「ソノファイ(Sonofai)」と呼ばれる機械は、超音波を使い、魚の切り分け方についての予備知識がない人でも12秒でその作業を行うことができる。
この技術を開発した日本企業、富士通は今週、ソノファイのデモンストレーションに記者団を招待した。
ソノファイとは、「音」を意味する「sono」と富士通の「f」、そして人工知能を意味する「ai」を組み合わせた造語である。この名称は、その構成部品を意味すると同時に、「aiの息子 」を表している。
ベルトコンベアーは、約1メートルの大きさの冷凍マグロを丸ごと、超音波を照射する機械に運ぶ。センサーがその波を拾い、魚の脂ののり具合を示すジグザグの図をスクリーンに描く。
脂肪の多い肉は赤身の肉よりも音波の吸収率が低く、AIは誤解を招く「ノイズ」や不規則な動きから実際のデータを選別する。
この技術を開発した新興企業Sonofaiの社長であり、食品製造装置を製造するイシダテックを率いる石田尚氏は、より安全で衛生的で効率的だと言う。
「脂ののった魚はおいしく、舌触りもよく、『トロ』と呼ばれる」と彼は言う。「寿司文化は今や世界中で評価されているので、海外からのニーズは高まっている」
富士通でAIを統括する岡田秀人氏によれば、牛肉には脂身と期待される風味の等級付けシステムがあるが、マグロの品質を測ることができるのは新しいという。
Sonofaiは医療用の超音波スキャンと同じ技術を使用しており、高周波の不可聴な音波を吸収したり跳ね返したりすることで、母親の子宮内の胎児のような、目に見えないものを映像のように映し出す。
CTスキャンやX線検査とは異なり、組織に害を与える放射線を使用しない。
クィーンズランド工科大学の医師であり、ソノグラファー(超音波検査を専門とする医療従事者)を養成する教授でもあるクリス・エドワーズ氏は、糖尿病やその他の健康問題に関連する人間の肝臓の脂肪度を見るために超音波がどのように使われるかを研究してきた。
「ある魚を見て別の魚と比較し、『ああ、あっちの魚の方が脂肪が多いな』と言うことができるのです」と彼はAP通信のインタビューに答えた。
しかし、ソノフェイは近所の寿司屋には行かないだろう。
水産加工業者や漁業団体が購入する可能性が高い。この機械は6月に1台約3000万円(20万7000ドル)で発売される予定で、最初は日本で販売されるが、その後アメリカや他の地域にも拡大される。また、マグロや他の魚種の鮮度、硬さ、その他の特徴を検査するための将来のアップグレードにも取り組む予定だ。
AP