
バチカン市国:アメリカのロバート・プレヴォスト枢機卿が木曜日、ローマ・カトリック教会の新しい教皇と指導者に選出され、教皇レオ14世を名乗ることになったと、上級枢機卿がサン・ピエトロ広場の群衆に向かって発表した。
木曜日の夕方、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が立ち上り、中に閉じ込められていた枢機卿たちが14億人のカトリック信者のために新しい指導者を選出したことを告げた。
サン・ピエトロ広場に集まった何千人もの巡礼者や見物人から歓声と拍手が沸き起こり、煙が立ち上り鐘が鳴り始めると、2000年の歴史を持つローマ教皇庁に267人目の教皇が誕生したことが示された。
サン・ピエトロ大聖堂のバルコニーでは、世界的な教会の指導者として12年を過ごした後、先月亡くなったアルゼンチンの改革者フランシスコ法王の後任に誰が選ばれたのかを見るために、すべての視線が向けられていた。
新教皇は、ラテン語で自分の選んだ教皇名で紹介され、初めて世界に向けて演説した。
紛争が絶えない世界的な舞台で道徳的な発言力を主張するだけでなく、性的虐待スキャンダルからの継続的な脱落からバチカンの苦しいバランスシートまで、教会の切実な問題に直面するのだ。
五大陸から集まった133人の 「教会の王子 」たちは、過去最大のコンクラーベとなり、水曜日の午後に投票を開始した。
破門を覚悟で秘密厳守を誓った彼らが、その進捗状況を外部に伝える唯一の手段は、システィーナ礼拝堂の煙突から煙を上げることだった。
水曜日の夕方、そして木曜日の昼にも煙は黒く、何万人もの観衆から落胆のため息が漏れた。
しかし、木曜日の午後6時(日本時間16時)過ぎに噴出した煙は白く、カトリック教会に新しい霊的指導者が誕生したことを確認した。
伝統により、教皇は「涙の間」(選出されたばかりの教皇が自由に感情を表現する場所)に入り、初めて教皇のカソックを着用する。
その後、教皇は上級枢機卿とともにバルコニーに登場し、待ち構えていた群衆に向かって「ハベムス・パペム(教皇の誕生)」と宣言する。
その後、教皇は短いスピーチを行い、最初の「ウルビ・エト・オルビ」(「都市と世界へ」)の祝福を授ける。
今回の選挙は、地政学的な不確実性が大きい時期に行われ、教会内の亀裂とともに、投票の重要な争点と見られていた。
フランシスコは移民や環境を優先する思いやりのある改革者だったが、ヘッドライン・メーカーではなく教義の擁護者を求める伝統主義者を怒らせた。
枢機卿選任者の約80%がフランシスコによって任命された。世界70カ国から選出された枢機卿は、これまでで最も国際的なコンクラーベとなった。
とはいえ、枢機卿たちがフランシスコの血筋の人物を選ぶという保証はどこにもない。
問題は、牧師を選ぶか外交官を選ぶか、リベラル派を選ぶか保守派を選ぶか、教会の統治機関である教皇庁に精通した人物を選ぶか、それともカトリック信仰が盛んな世界の地域から比較的アウトサイダーな人物を選ぶか、であった。
水曜日、枢機卿たちがシスティーナ礼拝堂に閉じこめられる前に、枢機卿団長のジョバンニ・バッティスタ・レは、教会の一致を守れる人物を選ぶよう促した。
次期教皇はまた、世界中で紛争が激化し、超国家主義政党が台頭する中、「この困難で複雑な歴史の転換点 」を導くことができなければならない。
教会はまた、司祭の数が減少し、西側ではますます教壇が空席になるなど、現代社会に適応することに困難を抱えている。
ローマ法王の就任式は通常、選挙から1週間も経たないうちに行われ、世界中の政治・宗教指導者の前でミサが執り行われる。
新法王は、優先事項を説教する前に、初めて教皇車でサンピエトロ広場を巡回することになるだろう。
(AFP / ロイター)