

シャムス・エル・ムトワリ、ドバイ
UAEのデザイナーのヘッサ・アル・スワイディ氏は、主にプリント生地を使って創作活動をしている。彼女の最新インスタレーション『ウム・ラシド』が、昨年UAEの『ファッシカルティベイト』展で展示された。
『ファッシカルティベイト』は、7名のデザイナーを集め、ヤシの木を調査・探求した上で最終的にヤシの木の機能、色、構造を反映した作品に仕上げさせるという企画だった。アーティストたちの作品は、2019年11月から2020年2月まで、シャルジャの「1971デザインスペース」に展示された。
アル・スワイディ氏のインスタレーションは、ヤシの木の3つの重要要素、「シェルター」、「食べ物」、「美しさ」を示そうとするものであった。作品はプリント生地が織り込まれた金属の格子を使っており、プリント柄は、ヤシの木のデジタル処理した画像を使って作られた。
彼女のインスタレーションは、日本人アーティスト草間彌生氏の影響を受けたものでもあった。
「大好きなアーティストは草間彌生さんです。彼女の作品にインスパイアされることが多いのですが、特に、見る人を一連の旅へと駆り立てる彼女のインスタレーションには影響を受けます。『ウム・ラシド』の着想も彼女から得ており、見る人を夢中にさせ、たくさんのプリント柄に囲まれるという体験を創り出したかったのです」と彼女はアラブニュース・ジャパンに語った。
アル・スワイディ氏は、伝統文化衣装という点でアバヤと着物には類似点があると感じている。
「身にまとうやり方や見た感じに共通点がありますが、アバヤは着物と同じく、文化的価値のある伝統の象徴という大きな価値を持っています。違いは、アバヤは日常着として毎日着用しますが、着物は神聖なイメージで特別な機会に着るものだという点です」と彼女は考えている。
UAEのデザイナーである彼女は、着物をインスピレーションの源として活用したいとの興味があると言い、「たぶん、特別な機会に着ることのできるアバヤのイブニングドレス版が作れれば」とアラブニュース・ジャパンに語った。
現在、アル・スワイディ氏は、自身のブランド『PRNTCODE』から第1作目のコレクションとなる『ケイオティック・セオリー(カオス理論)』を発表したばかりだ。
『ケイオティック・セオリー』は、ドバイのデザイン会社ハムザット・ワスル・スタジオとのコラボで発表したコレクションであり、「根本にある柄や動きを創り出すランダムな光の形」が基盤となっています」とアル・スワイディ氏は述べた。
作品は、カラフルなプリント柄のスリップドレスからスリップスカートまで幅広く、価格は250ドルから550ドルだ。
「私の作品は常にハイブリッドになってしまうのですが、描いてからコンピューターで処理し、またその上に描いて、その後で生地にプリントするのです」と彼女は述べた。
アル・スワイディ氏にとって、デザイン工程はすべて異なり、それはインスピレーションがどこから来ているかによると言う。