
福井県立恐竜博物館は7日、同県大野市にある約1億2700万年前(前期白亜紀)の地層で見つかった化石が、国内最古級の哺乳類のものと判明したと発表した。恐竜時代の原始的な哺乳類「真三錐歯類」(しんさんすいしるい)の下顎の骨の一部で、新種の可能性が高いという。
見つかった骨は長さ13.1ミリ、高さ5.8ミリで、3本の歯が生えている。大野市教育委員会の主任学芸員が2019年6月ごろ、同市の荒島岳東部に分布する地層「伊月層」で発見した。
同博物館などが調べたところ、3本の歯のうち奥歯2本に、真三錐歯類に特徴的な三つの突起が確認された。全長16~17センチ程度のねずみのような体つきと推定される。種の特定には追加資料が必要だが、歯の形や大きさなどから、国内ではこれまでに見つかっていない種とみられる。
哺乳類で国内最古とされる石川県白山市の真三錐歯類の化石と、今回の化石のどちらが古いかは確定できておらず、同博物館などがさらに調べる。
伊月層からはこの他、爬虫(はちゅう)類から哺乳類への進化段階にある草食動物「トリティロドン類」の歯の化石も見つかった。この動物では国内最古級という。
同博物館の宮田和周主任研究員は一連の発見について、「恐竜時代に関する新たな研究の展開が期待できる」と話している。
JIJI Press