アミン・アッバス

アブドゥッラー・アル＝ファキーさんは、「ザ・ジャーニー」（2021年）、「デジモンアドベンチャー Last Evolution 絆」（2020年）といった日本のアニメで活躍した才能あるエジプト人声優である。また「3Below: Talis of Arcadia」（2018年）、「Klaus」（2019年）、「Teenage Mutant Turtles:Mutant Mayhem」（2023年）などの英語版アニメでも活躍している。そんな彼が アラブニュース・ジャパンの独占インタビューに答えてくれた。

「子供の頃に『マジンガーZ』や『キャプテン翼』（アラビア圏ではキャプテン・マジッド）を見て以来、声優になりたいと思っていました。2008年からボイストレーニングを始め、2016年にプロの声優になりました。私のスタイルは、演技に深みと魅力を加えるため、素直に滑らかに演技することです」と語った。

「私の最初の仕事は、Netflixの『3Below: Talis of Arcadia』の主人公クレル・タロンの声を担当したことです」 と彼は続けた。

アブドゥッラーさんは、2021年に公開された、マンガ・プロダクションズと東映アニメーションによる初の共同制作長編アニメ「ザ・ジャーニー」でズララの声を担当したことで知られている。

「スペーストゥーンから、マンガ・プロダクションズの最新作品『ザ・ジャーニー』のキャラクターを演じてほしい、と打診がありました。特に、ズララというキャラクターはすぐに気に入りました。この役を射止められたことに感激しましたし、経験した事すべてが素晴らしいものでした」と、当時のエピソードを語った

「ズララと、映画『ザ・ジャーニー』はアラビア文化のエッセンスを完璧にとらえた物語が描かれており、私の心の中で特別な位置を占めています。漫画チームの卓越した脚本と画力は、全力を尽くそうという気持ちにさせてくれました。パンデミックの最中にズララを収録するのは、特にディレクターが他国にいるため、困難が伴いました。コミュニケーションのハードルはあったものの、この経験は貴重な教訓を与えてくれました」と彼は付け加えた。

彼は、『ザ・ジャーニー』でズララの声を担当した経験をとても喜んでおり、「信じられないくらい誇らしかった！インスタグラムに、ズララ役の演技についてたくさんの好意的なコメントやメッセージをいただき、幸運だと思いました。ファンが演技を気に入ってくれて、時間を割いてアカウントを見つけてくれて、計り知れない喜びを与えてくれるメッセージを送ってくれ、僕にとって大きな意味のあることでした」と語った。

また彼は『デジモンアドベンチャー Last Evolution 絆』（2020年）の石田ヤマトの声優として知られる。

「Tala Tourgane氏から電話がかかってきて、ヤマトと太一の両方のオーディションを受けてほしいと言われたことを鮮明に覚えています。私は迷うことなく、大好きなヤマトを希望しました。しかし、彼女はどうしても両方のオーディションを受けて欲しい、というので受けました。嬉しいことに、彼女は私をヤマトに選んでくれた。ディレクターのDimaとTalaとのアフレコは信じられないほどスムーズで、その経験から多くを学びました。また、日本語の勉強を生かして、文章を翻訳する手伝いをしたことも覚えています。微力ではあったけれど、できる限り協力したかった。ディレクター夫妻は優しく、プロ意識があり、とても仕事がしやすかった。おかげで、楽しく仕事ができました」と彼は続けた。

日本のアニメに関して彼は「伝統と革新が融合した豊かな文化的タペストリーだと思います。作中の、他者に対する配慮、キャラクターの強さ、そして心に深く響く魅惑的なストーリーに惹かれます。好きなアニメシリーズは『ハンター×ハンター』と『BLEACH』です」と語った。

アニメの声優になりたい人へのアドバイスについて 「私のアドバイスは、一貫して声を鍛え、練習を止めないことです。そして、指導受け、上達するために私の声優コースに参加することを検討してください！」と結んだ。