



ラマ・アルハマウィ
リヤド: サウジアラビア王国で初めて開業した日本食レストラン「Tokyo」は世代を超えたサウジの人たちをもてなしてきた。30年以上に渡り、サウジの人たちは本格的な日本の味覚を楽しんできた。
1985年、リヤドにオロウバ店が開店すると、Tokyoは瞬く間にサウジアラビアの多くの地元の人たちの間で世代を超えた人気を博し、本格的な日本料理の定番店となった。
リヤド生まれのアマル・アルバイヨウド氏(59)は、1987年に初めてTokyoに行ったときのことを覚えている。アルバイヨウド氏はアラブニュースに語った。「人生には一生忘れられなくなることがあるものです。Tokyoに初めて行ったのは何年も前のことですが、そこで未知の料理を味わいました。赤い色や、興味深いデザインが目に入りました。これは私には非常に珍しいものだったので、今日まで覚えているのです」
جيل وراء جيل وحنّا معكم، واليوم نكمل قصتنا بهويتنا الجديدة..
— طوكيو | TOKYO (@tokyo_arabia) May 28, 2021
بين طوكيو والسعوديين #عشرة_أكل 🇸🇦 🇯🇵 pic.twitter.com/GT8qYWxK3m
「それまでは私はあまり多くのレストランには行っていませんでしたが、とても目新しくて珍しく、さらに料理が非常に美味しかったので、ここは特に記憶に残っているのです」
Tokyoを他の日本食レストランと比べて真に特別な存在にしているのは、この店の寿司が新鮮かつ安定した品質であることだ。35年以上前の開店以来、Tokyoはずっと同じレシピを一貫して守り続けている。だからこそ、世代を超えた人々が家族を連れてこのレストランに足を運び続けているのだ。
マーケティング・コミュニケーションマネージャーのオウド・アルジャブル氏(25)は、過去3年間に渡って家族と共にTokyoでディナーを食べ続けてきた。
「新しい寿司店がいくら開店したとしても、Tokyoは私のお気に入りの店です。友人や家族を連れてTokyoに通うようになって、今ではほぼ3年になりますが、誰か寿司を初体験したいという人がいたら、やはりTokyoをおすすめします。店の雰囲気は、私の懐かしい子供時代の思い出につながっています。よく紙飛行機を作っていたものです。素晴らしい記憶を思い出させてくれます。
入店すると、柔らかく抑えた照明が来店客を出迎える。静かな落ち着きをたたえた滝が入り口にあり、日本文化のエッセンスを凝縮した古典音楽のBGMが流れている。
スタッフはとても親切で、料理に精通しており、メニューにある様々な品を熟知しているので、日本食の経験のない来店客にも気軽におすすめ料理を教えてくれる。
「とても感じの良い雰囲気です。静かで、それでいてフレンドリーです。だから地元の人にも外国人にも人気の選択肢なのです。Tokyoは独特の多様性を備えています。地元業界のトップであり続ける方法を知っており、顧客のニーズを満たすための革新的な料理やここでしか味わえないメニューを作り出しているのです」アルジャブル氏はアラブニュースにそう教えてくれた。
Tokyoはリヤドに店舗を2つ構えている。1店目はアル・スレイマニアのオロウバ店。2店目はガーディール支店だ。
オロウバ店は先日、改装を行い、Tokyoで体験できる新たな要素を多数導入した。たとえば5品目の本格的な日本茶を提供するお茶バー、鉄板焼きのライブ料理ステーション2台、カクテルバー、イベント用の貸切ダイニングルームなどだ。
私たちもTokyoの名物料理をいくつか試食してみた。最初はさっぱりとしたパッションフルーツのモヒートから始めるのが私たちのイチオシだ。新鮮なシトラスの刺激が利いており、これから始まる食事を新鮮な気持ちで味わえるようになる。次は前菜メニューとして、伝統的な味噌汁と蟹のクリスピーサラダに進むのがおすすめだ。蟹のクリスピーサラダには葉物野菜のミックス、トマト、コーン、自家製ドレッシングがついており、サクサクに揚げられた蟹が山盛りになっている。ぜひともお試しいただきたい常時人気の前菜メニューだ。
スルタン巻とサード巻はTokyoの代名詞になっている2大メニューだ。どちらの巻寿司も同じぐらい美味しく、Tokyoに来たならば食べ逃すわけにはいかない。サード巻はスペシャルソースのかかったエビフライがトッピングされたスイートポテト、ミント、蟹の巻き寿司だ。合わない組み合わせのように聞こえるかもしれないが、それぞれの食材が互いに等しく引き立たせ合い、1つになった独特な味わいが生み出されている。
一方、スルタン巻はシンプルで古典的な見た目のスパイシーサーモンの巻寿司だ。スルタン巻はゴマをふりかけたアボカドとチリソースとともに供されるサーモン巻である。シンプルかつ風味豊か。そして軽い食感だ。
メインのコースとしては、Tokyoビーフステーキを注文するのがおすすめだ。ハチミツとピーナッツソースとともに供されるプレミアム和牛のステーキである。和牛の柔らかで軽い食感を味わうため、ミディアムからミディアムウェルダン以上は焼かないように注文しよう。ステーキには新鮮なキノコごはんとクリーミーなトリュフバターがついており、ジューシーかつ豊かな味わいの組み合わせが生み出されている。きっとまた食べに来たいと思うことだろう。
Tokyoは家族連れの客層に人気であるだけでなく、家族経営の店でもある。Tokyoを経営するオーナーはフーズゲート(Foods Gate)という家族経営の会社だ。この会社は最高経営責任者(CEO)のサード・アルドリース氏と、氏の兄弟が運営しており、Tokyoの開店以来、ファミリー・ブランドであり続けている。
フーズゲートはアラブニュースに、Tokyoで料理をする寿司職人として21人のサウジ人シェフの訓練中であることを教えてくれた。
サード氏一家の価値観はTokyoの歴史と文化に根付いており、この店をサウジアラビア王国の首都における家族連れの定番人気店にしている。