
サルマ・アーメド
カイロ:エジプトはアスリート134人の、過去最大規模のオリンピック選手団を東京に送った。24種目の代表が含まれ、エジプトにとって過去最多の参加種目数となる。
エジプト代表の最年少アスリートは13歳の卓球のハナ・ゴダ選手。
これまでにエジプトは合計32個のオリンピックメダルを獲得しており、うち金メダルは7個、銀メダルは10個、銅メダルは15個となっている。
エジプト代表のアスリートの中に、21歳の若さでの献身と努力によって国中の少女たちを鼓舞することとなった近代五種のハイディ・モーシー選手がいる。
「1年間の延期を経て、東京オリンピックに参加できることをとても嬉しく思っています。東京オリンピックは私にとって、2016年のリオと2014年に中国で開かれたユースオリンピックに続く3度目のオリンピックです。愛する故国の代表を務められることに……そしてみんなに誇りに思ってもらえることに、とても興奮しています」と、モーシー選手はアラブニュースに語った。
彼女がスポーツを始めたのは8歳の時で、最初はほんの遊びだった。
そして13歳になると、2014年ユースオリンピックの参加資格を得た。
「最初は、クラブのチームでトレーニングしていただけで、そして2年後にはナショナルチームに誘われて……国の代表となるとレベルが異なり、目標と夢を実現するために本当にハードに練習しなくてはなりませんでした」と彼女は続けて述べた。
彼女は、オリンピックでメダルを獲得することが近代五種を始めた時からずっと自分の夢だったと説明した。
「私は近代五種でオリンピックメダルを獲得する最初のエジプト人女性アスリートになり、エジプトの人々みんなに誇りに思ってもらいたいのです」とモーシー選手は語っている。
彼女のアスリートとしての生活はくつろいだ暮らしとは程遠いものだった。トレーニングと目標達成に向けた努力に日々を捧げた。
「私は朝6時頃に起きて水泳の練習で1日を始め、それから毎日6、7時間ほど練習します。クレイジーに聞こえるとは思いますが、私はこのスポーツが大好きで、引退を決めるまで常に全力を尽くしたいと思っているのです」と彼女は述べた。
彼女は今大会が2020年から2021年に延期される前、2019年のアフリカ選手権で勝利をおさめて東京オリンピックの参加資格を得た。
「それは信じられないような瞬間で、決して忘れることはありません。私の故郷で参加資格が得られたからなおさらです。家族や友人の前で勝つこと以上に素晴らしいことはありません」
「私はアスリートとしてもっと向上することを常に楽しみにしています。いつかは立ち止まって、別のステージに進む日が来ることを知っているからです。このスポーツに取り組んでいる間はどんな一瞬も楽しみたいのです」
モーシーは東京オリンピックで国の代表となることに人生をかけてきた多くのエジプト人アスリートの1人に過ぎない。
しかし不幸なことに、同国のアスリート全員が参加を認められたわけではない。
国際ウエイトリフティング連盟がアフリカユース大会でのエジプト選手のドーピング判明をうけて出場を禁止したため、エジプトのウエイトリフティング選手たちは東京オリンピックには参加できない。
この出場禁止処分によって、オリンピックメダリストのサラ・サミール選手とモハメド・イハブ選手が参加できなくなったことは、エジプトの1大会におけるメダル獲得記録5個の更新にも影響を及ぼすだろう。