東京:アフガニスタンの選手2人は、カブール退避後のパリからの極秘フライトを経て、「非常に感動的」な東京パラリンピック選手村への到着を果たしたと、大会責任者らが29日に語った。
ザキア・フダダディ選手とホサイン・ラスーリ選手は、先週末にタリバンが支配するアフガニスタンから「地球規模の大作戦」で脱出し、大会で競技する準備を整えて日本に到着した。
「両選手は、夢を実現するためにここ東京に来ており、世界中の多くの人々に非常に強い希望のメッセージを発信しています」と、国際パラリンピック委員会のクレイグ・スペンス広報部長が語った。
フダダディ選手とラスーリ選手は28日夜、IPCのアンドリュー・パーソンズ会長と、IPC選手委員会のチェルシー・ゴテル委員長、そしてアフガンチームのアリアン・サディキ選手団長から選手村への歓迎を受けた。
「ご想像の通り、面会は非常に感動的でした」と、スペンス氏は語った。
「部屋にいた全員がたくさんの涙を流しました。本当に素晴らしい面会となりました」。
2人はカブールからの退避後、パリのフランス・スポーツ省のトレーニングセンターで1週間過ごした。
陸上短距離のラスーリ選手は、男子T47 100mに出場する予定だったが、28日の競技には間に合わなかった。
同選手は代わりに31日のT47走り幅跳び決勝に出場し、一方のフダダディ選手は2日の女子テコンドーK44-49kg級に出場する。
スペンス氏は、選手のメンタルヘルスと幸福はIPCの「最優先事項」だと述べた。
「ご想像の通り、ここ数日選手たちが過ごしてきた状況は深刻であるため、我々は毎日、何よりもまず、選手たちのメンタルヘルスを確認してきました」と、同氏は述べた。
この来日劇は、今月これまでにアフガニスタンが瞬く間にタリバンの手に落ちたことで、何万人もの人々が閉じ込められ、国外に出ることができなくなった中での出来事だ。
24日の開会式では、アフガニスタンの国旗が、ボランティアによって運ばれるという象徴的な形で登場した。
スペンス氏は、両選手は大会期間中は記者団の取材には応じないと語った。
主催者としては、選手村で他の選手たちが写真を撮る「自撮り祭り」は避けたいと考えていると述べたが、2人が交流することは認められると強調した。
「我々は、『アパートに閉じこもって外出してはいけない』と言っているわけではありません」と、同氏は述べた。
「3日間の隔離期間を経たら、選手村でのこの滞在経験を充実させる必要があるということです」。
東京パラリンピックは、パンデミックによる1年延期を経て、コロナウイルスに関する厳しいルールの下、一般にはほぼ非公開で行われている。
アフガニスタンでは、タリバンが1996年から2001年までの第1次政権よりも柔軟な統治を約束している。
しかし、多くのアフガン人は、彼らの残忍なイスラム法の解釈が繰り返されることを恐れている。
AFP