
ダニエル・ファウンテン
ジェッダ: ルイス・ハミルトンは、タイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペンとの壮絶なレースの末、スリリングな展開となったサウジアラビアGPを制し、来週末のアブダビでの最終戦に向けてタイトル争いを優位に進めた。
予想外の出来事に見舞われたレースで、イギリス人ドライバー、ルイス・ハミルトンの勝利により、UAEでのフィナーレを前に、メルセデスとレッドブルのドライバーが世界選手権においてポイントで並んだことになる。
ハミルトンは初発から完璧なスタートを切ったが、フェルスタッペンは序盤、パワーダウンに苦しんでいるように見えた。しかしハースのミック・シューマッハがバリアに衝突したため、セーフティカーが導入された後に赤旗が提示され、オランダ人ドライバーのフェルスタッペンに勢いが移った。
ハミルトンとメルセデスのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは、セーフティカーの下でピットに呼ばれたが、フェルスタッペンはそのまま外に出、赤旗が振られた後にピットインしてタイヤを交換し、まだ前にいる状態でレースのトップに立った。
再開後、ハミルトンはフェルスタッペンとの接近戦を制して再びトップに立ち、フェルスタッペンは7回王者のハミルトンに無理やりコースアウトさせられたと主張した。
その数周後、セルジオ・ペレス、ジョージ・ラッセル、ニキータ・マゼピンの3人が後方で接触し、再び赤旗が提示された。
タイトルを狙う2人の戦いはさらにヒートアップしていたが、フェルスタッペンがハミルトンに対して疑わしい動きをしたために5秒のペナルティを受け、ハミルトンはオランダ人のフェルスタッペンが「ブレーキテスト」をしたと非難した。
レースオフィシャルはフェルスタッペンの動きが違反であると判断し、FIAのレースディレクターとチームの間で交渉が行われた結果、アルペンのエステバン・オコンがトップに立ち、ハミルトンが2位、フェルスタッペンが3位で3回目のスタートを切ることになった。
その後、フェルスタッペンが再びトップに立ち、ハミルトンがそれに続いたが、レース終盤に2人が衝突したことで、ガレージでは怒りが爆発した。
ボッタスは減速するオコンにプレッシャーをかけ続け、メルセデスでの残り2回のレースとなった最終ラップで、3位で最下位の表彰台を獲得した。
ハミルトンはレース後、チームの努力を称賛する一方で、フェルスタッペンがブレーキをかけた理由を「理解できなかった」と述べ、事件は 「混乱した… 」と語った。
また「長い間レースをしてきたが、あれは信じられないほど厳しかった」と語っている。そしてハミルトンは、「自分の経験を生かして、できるだけ賢明に、そしてタフに、マシンをコース上にとどめ、クリーンな状態を保つように努めたが、難しかった。
いろいろなことがあったが、みんなを誇りに思っているし、観客の皆にも感謝している。
私たちは素晴らしい努力をしたし、バルテリもチームのために素晴らしい努力をしてくれた。そして今回の勝利はガレージにいる全員のためでもある。
素晴らしいイベントで、ここではとても歓迎されていると感じた。コースは驚異的で、肉体的にも精神的にも非常に難しいが、他では得られないものだ」と述べた。
フェルスタッペンは、より冷静なムードで、審判の判断に疑問を呈していた。
「極めて波乱万丈で、多くのことが起こった。完全には納得できないが、それが現実だ」と語った。
また「自分の力を出し切ろうとしたが、タイヤが長持ちしなかったようで、最後は少しゴムが足りなかった。それでも、2位になったのは事実だ」と語っている。
そして「僕は減速して、彼を通したかった。僕は右にいたが、彼は追い越したくなかったようで、僕らは接触してしまった。あそこで何が起こったのか、私にはよくわからない。
勝負は(アブダビで)決まるだろう。良い週末になることを願っている」と付け加えた。