



東京:伝統となっている東京の初競りで、マグロを1688万円で競り落とした落札者は5日、新型コロナ禍に見舞われている2022年がこの落札で良い年になる事を望むと語った。
新型コロナの流行で需要が低迷している中、東京の豊洲市場で行われた「初競り」では、マグロの最高値が3年連続で前年を下回った。
寿司店運営者と水産仲卸業者が5日、共同で巨大なクロマグロを落札したが、落札額としては2019年に出した過去最高の3億3360万円に比べると大幅な下落である。
豊洲市場で行われるマグロの初競りは、毎年大勢の水産仲卸業者でにぎわい、多くの人々が注目する伝統行事である。
最高値のマグロを競り落とすために、入札者は時として莫大な競り値を付ける。最高値のマグロは縁起が良く、落札者には良い宣伝になると考えられている。
5日に最高値を付けた211キロのクロマグロは、良質のマグロで有名な青森県北部沖で漁獲され、ミシュランの星付き寿司店運営者の「おのでら」グループと水産仲卸の「やま幸」に競り落とされた。
早朝の初競りが終った後、最高値を付けたマグロは表参道の高級界隈にある、「おのでら」が運営する寿司店に配達された。マグロはここで見物客の前でさばかれ、刺身にされる。
「縁起物の最高値のマグロを競り落としてお客様に食べていただきたいと願って、初競りに参加しました。未だに続くコロナ禍の中にあっても、これでお客様に幸せな一年を過ごしてもらいたいと思います」と、坂上暁史総料理長が語った。
このマグロは日本だけでなく、ハワイ、ニューヨーク、ロスアンゼルスなどにあるグループの海外系列店でも提供されるという。
東京の高級界隈にあるレストランの前には、マグロを一口味わいたいという寿司ファンが集まり、マグロの到着を待った。カワバタジュンコさん(78)は最高値のマグロを味わってみたいと、東京東部にある自宅から高速道路を飛ばしてやって来た。
「マグロが大好物なんです」と、カワバタさんが語り、1番と示された番号札を自慢げに見せてくれた。
「一切れ、口にするのが待ちきれません」
AFP通信