シャムス・エル・ムタワリ

ドバイ：慣習に囚われない家庭料理を提供するレストラン「Uchi（ウチ）」は、レバノン人起業家キャロル・モワド氏が数多く立ち上げた日本食ベンチャービジネスの1つだ。モワド氏はアラブ首長国連邦（UAE）の菓子ブランド「Yumochi（ユモチ）」と「M’OISHÎ（モイシ）」の創業者にしてCEOでもある。

「私はUchiのコンセプトの全てを思い描いていました。また、私には素晴らしいチームがついており、私が考えていたアイディアの実現を手助けしてくれました。初期のメニューについて言えば、その一部はシェフのレイフ氏が作ったものです。レイフ氏は『Zuma（ズマ）』の元料理長です。当社には社内シェフもおり、シプリアン・ガブリエル氏は新料理の開発で素晴らしい仕事をし、当社が常に競争のトップでいられるようにしてくれています」と、創業者のモワド氏は語った。

同レストランは2021年3月に開店した。ギョーザ、チキンカツ、和牛フィレ、エビの天ぷら、和牛のタタキなどの幅広い料理を提供しており、寿司のメニューも豊富に取り揃えている。メニューで特に人気なのは和牛サンドとエビ巻だ。

創業者のモワド氏は常に顧客に最高の体験を提供することを目指しており、最高に味わい深い食材を調達することでそれを実現している。

「日本から輸入している食材もありますが、常に新鮮な料理を味わえるように国内で我々が選んで買い付けている食材もあります。当店の食品の味と品質管理について言えば、私が毎日店舗に出勤し、必ず定期的に複数の料理を試食するようにしています。また、食品の品質管理に関する社内工程も設けておりますが、それだけではなく日本食に精通している友人たちを招いてUchiで食べてもらうのが私は大好きで、そうした友人たちが毎回率直に意見を言ってくれるのです」と、同氏は述べた。

同レストランの装飾も日本文化を反映させたものとなっている。それは「シンプルで洗練された日本の生活様式を表す」ものであり、中間的な色合いを用いてデザインされ、木材などの建材が全体的に禅の雰囲気を醸し出している。

日本文化と日本食に対する興味はモワド氏が餅アイスクリームを初めて食べたときの体験が元になっている。

「日本食レストランを開業しようという私のアイディアが始まった理由はM’OISHÎにあります。M’OISHÎが始まったのは、ある日友人とベイルートの日本食レストランに夕食を食べに行ったときのことが理由です。私は初めて餅アイスクリームを食べてみました。その全てに、私はすぐに恋に落ちました。味に。食感の混ざり具合に。伝統的な餅を独特のデザートに変えるというコンセプトに。この伝統的日本食デザートと最初に出会った後（食に対する私の愛と情熱も理由ですが）、UAEで私独自の餅アイスクリームのコンセプトを立ち上げようと決心したのです。私は日本食が大好きで、日本文化全般を常に尊敬していますので、Uchiを作るのは当然の流れなのです」と、同氏はアラブニュース・ジャパンに語った。

M’OISHÎで行ったのと同じようにUchiを拡大してサウジアラビア、エジプト、ロンドンで支店をオープンするために、モワド氏はチームと共に取り組んでいる。

「M’OISHÎ」と「Yumochi」両店で餅アイスクリームが販売されている。Yumochiではグラノーラ・ポットも販売されており、パッションフルーツ、マンゴー塩キャラメル、バニラ、ストロベリーなど様々なフレーバーがある。