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女子サッカーのきらめく夏が、アラブ諸国に夢を届ける

女子サッカーが解禁されてわずか数年後の2021年、トレーニングを指導するサウジアラビア女子サッカー監督のモニカ・シュタープ氏。(AFP)
女子サッカーが解禁されてわずか数年後の2021年、トレーニングを指導するサウジアラビア女子サッカー監督のモニカ・シュタープ氏。(AFP)
ドイツは準決勝でフランスを下したが、UEFA欧州女子選手権2022決勝では強豪のイングランドに敗れた。(AFP)
ドイツは準決勝でフランスを下したが、UEFA欧州女子選手権2022決勝では強豪のイングランドに敗れた。(AFP)
ドイツは準決勝でフランスを下したが、UEFA欧州女子選手権2022決勝では強豪のイングランドに敗れた。(AFP)
ドイツは準決勝でフランスを下したが、UEFA欧州女子選手権2022決勝では強豪のイングランドに敗れた。(AFP)
2022年7月31日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたサッカーUEFA欧州女子選手権2022決勝戦、イングランド対ドイツ戦を前に整列するチーム。(リンジー・パーナビー / AFP)
2022年7月31日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたサッカーUEFA欧州女子選手権2022決勝戦、イングランド対ドイツ戦を前に整列するチーム。(リンジー・パーナビー / AFP)
アンマンで実施されたトレーニングに参加するヨルダン女子サッカーチーム。(AFPファイル写真)
アンマンで実施されたトレーニングに参加するヨルダン女子サッカーチーム。(AFPファイル写真)
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02 Aug 2022 03:08:34 GMT9
02 Aug 2022 03:08:34 GMT9

アリ・カレド

ドバイ: ウェンブリーの空に紙吹雪が舞い、開催国であるイングランドのUEFA欧州女子選手権2022の優勝で幕を閉じた。

延長戦の末に2―1で勝利したライオネス(イングランド女子代表の愛称)は、史上初のタイトルを獲得し、1966年の男子ワールドカップ優勝(ウェンブリーでの西ドイツ戦)以来のトロフィーをイングランドが手にしたのだった。

今年はまさに、世界の女子サッカー界にとってきらめく夏となった。

イングランドの勝利の前日には、ブラジル女子代表がコロンビアを1―0で下し、コパ・アメリカ・フェメニーナの優勝を果たしている。そして、わずか2週間前には、南アフリカが開催国のモロッコを破り、アフリカ女子ネイションズカップを制覇している。

2022年7月30日、コロンビアのブカラマンガで行われたサッカー女子コパ・アメリカ大会決勝のコロンビア戦で勝利し、喜び合うブラジルの選手ら。(AFP)

1月のAFC女子アジアカップでは、中国がナビムンバイで韓国を3―2で下し、優勝していた。

女子サッカーは、障害を打ち破り続けている。

オーストラリアとニュージーランドで来年7月20日から8月20日まで開催される2023年FIFA女子ワールドカップに既に目が向けられている。しかし、誰もがその楽しさや試合に参加しているわけではない。少なくとも、まだだ。

女子サッカーが盛り上がっている中、こうした大会は、たとえ予選段階であっても、アラブの女子サッカー選手がこのパーティに参加する前に乗り越えるべき課題を示している。

アフリカ女子ネイションズカップでベスト4に進出したモロッコだけが、来年のワールドカップへの出場資格を獲得している。

7月23日、ラバトで開催された2022年アフリカ女子ネイションズカップ決勝の南アフリカとの試合で敗れ、写真撮影に応じるモロッコ代表のメンバー。(AFP)

政治的、スポーツ的、文化的な理由であれ、アラブ人が最高レベルに達しない理由はたくさんある。この地の女子サッカーをヨーロッパや米国と比較する時期はまだ来ていないのだ。

しかし、サッカー連盟が彼女たちの力に応じて、女子サッカーを受け入れるようになってきていることから、慎重に楽観視する余地もある。

参加国や成績の面では、アフリカのアラブ諸国はアジアの諸姉に及ばないままだ。主催国のモロッコは2022年のアフリカネイションズカップにチュニジアと一緒に参加したが、昨年1月にインドで開催されたAFC女子アジアカップにはアラブ諸国からの参加はなかった。

FIFAが発表した最新の世界ランキングでも、その傾向が裏付けされている。アフリカ地域のトップレベルのアラブ諸国は、チュニジア(72位)、モロッコ(77位)、アルジェリア(79位)、エジプト(94位)である。

一方、アジア地区では、女子チームのトップ3は、ヨルダンが65と非常に高く評価され、バーレーンが84、UAEが106となっている。

アンマンで実施されたトレーニングに参加するヨルダン女子サッカーチーム。(AFPファイル写真)

これまでのところ、結果、そしてそれに続くランキングは、一般的に寿命と歴史に相関している。しかし、それでもアラブ・アフリカ諸国の正式参加は、アジア諸国より数年先行している。

モロッコ、アルジェリア、エジプトは1998年に女子初の国際試合を行い、チュニジアは2006年に初めて国際試合を行った。アジアでは、ヨルダンとバーレーンが2005年に、外国人を中心としたUAEチームが2010年に初めて国際試合に出場した。

いずれもつい最近行われた試合であることを考えると、パイオニアである彼女たちが後進のために道を切り開いたことは、大きな功績と言えるだろう。

しかし、今後はサッカーの歴史は関係なくなり、状況は変わっていくだろう。資金調達の強化、プログラムの確立、利用しやすいトレーニング施設などが今後の課題だ。

そこで、まだFIFAに加盟していないサウジアラビアが、女子サッカーを加速させようとしている。サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)の女子サッカー部門は2019年に設立されたばかりだが、その後、見事なほど活発な活動を展開している。

2021年11月2日、リヤドのプリンス・ファイサル・ビン・ファハド・スタジアムで、トレーニングに参加し腕自慢をする初代サウジアラビア女子サッカー代表チームの選手ら。(AFP)

2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行によるロックダウンが解けた頃、サウジ・スポーツ・フォー・オール連盟(SFA)は、それまで公式戦に参加していなかった歴史ある女子チーム数チームを交えた「女子サッカーリーグ」を発足させた。

しかし、2021年11月、サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)は正式に地域サッカーリーグを設立し、16チームが参加する大会となり、リヤド、ジェッダ、ダンマームを中心とした国内ベスト8のクラブが、1月上旬に行われる勝ち抜き戦方式の全国選手権に進出することになった。

リーグは3つの地域に分かれた。6チームの中部地区、同じく6チームの西部地区、4チームの東部地区に分かれ、ホーム・アンド・アウェー方式の総当り戦で行われた。

中部・西部地区の上位3チームと、東部地区の上位2チームが全国大会に進出し、優勝チームには133,000ドルの賞金が支払われる予定である。

アル・ヤマーマ、ジェッダ・イーグルス、イースタン・フレームスは、それぞれ中部、西部、東部の各部門で優勝し、準々決勝にはミラアス、ザ・ストーム、サーマ、アル・マムラカ、チャレンジが勝ち残った。

サウジアラビアで初開催の地域サッカーリーグの西部地区で優勝し、喜び合うジェッダ・イーグルス。(提供)

1月8日午後11時頃、ジェッダのキング・アブドゥッラー・スポーツシティでアル・マムラカがチャレンジに7―0で勝利し、サウジアラビア初の全国サッカー選手権優勝チームとなった。

この日は、サウジアラビアのまだ始まったばかりの女子サッカー界にとって、転機となる日であった。大会に課題はあったものの、全体としては間違いなく成功を収めたと言える。

サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)が行ったもう一つの重要なステップは、女子サッカーリーグで審判を務めるアジアのトップ女性審判員12名を採用し、その道を歩む地元の女性たちを育成することである。現在、新しい女性審判員のための資格取得コースが設けられており、これまでにサウジアラビアサッカー連盟(SAFF)の下で63名の審判員が承認されている。

しかし、最も重要な人事は、ドイツ人コーチであるモニカ・シュターブ氏が、新設(2021年)されるサウジアラビア女子国際チームを率い、サウジアラビア国内のあらゆるレベルの競技の発展を監督する任務を負ったことであろう。

女子サッカーが解禁されてわずか数年後の2021年、トレーニングを指導するサウジアラビア女子サッカーのモニカ・シュタープ監督(左)。(AFP)

シュターブ氏は、フランス、イングランドでプレーした後、ドイツに戻り、女子サッカー・ブンデスリーガで活躍した。監督としては、1.FFCフランクフルト(現アイントラハト・フランクフルト)を率いて、4度のドイツリーグ優勝、4度のドイツカップ優勝、2002年にはUEFA欧州女子選手権(現UEFA女子チャンピオンズリーグ)優勝という名声を手にした。

バーレーン、イラン、カタールなど、過去40年間で80か国以上を訪問してきたシュターブ氏は、サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)の監督に最適な候補者だった。これまでのところ、この選択は賢明であったことが証明されている。

2月20日にモルディブの国立競技場で行われた親善試合で、シュターブ氏はサウジアラビア女子代表チームの初の国際試合を監督し、セイシェルに2―0で勝利したのである。

2021年11月2日、リヤドのプリンス・ファイサル・ビン・ファハド・スタジアムでトレーニングに参加し、腕自慢をする初代サウジ女子サッカー代表チームの選手ら。(AFP)

この歴史的な出来事には、ブラジルの伝説的な選手であるペレ氏もサウジアラビア女子代表選手らを祝福するメッセージをツイートするなど、世界のサッカー界を代表する人物からも称賛の声が寄せられている。

また、シュターブ氏らが立ち上げた全国規模のトレーニングプログラムでは、サウジアラビア人女性の才能を発掘し、地域サッカーリーグ、さらにはナショナルチームへの参加を目指しているのが心強い。

さらに、40コースのD級ライセンスコーチングコースをサウジアラビア国内の学校で実施し、教員857名にコーチング資格を付与し、15コースの審判コースでは教員544名が2022年9月に発足予定の女子学生リーグで審判を行うことができるようになる予定だ。

リヤドでトレーニングに参加し、腕自慢をする初代サウジアラビア女子サッカー代表チームの選手ら。(SPA)

既に何人かの選手が名を上げている。アル・バンダリ・ムバラク選手は、セイシェルとの対戦でサウジアラビア史上初のゴールを決め、代表チームに不可欠な存在とみなされており、また、アル・マムラカでプレーするGKでキャプテンのサラ・ハレド選手も同様である。

ジェッダ・イーグルス所属のファラ・ジャフリ選手も、スターダムへの道を嘱望される才能の持ち主である。一方、リーン・モハメド選手は、2022年の西アジアサッカー連盟(WAFF)女子フットサル選手権を主催し準優勝したサウジアラビア女子フットサル代表チーム(2019年設立)のスターとして浮上してきた。

他にもいる。シュターブ氏の最初の目標は、サウジアラビア代表をFIFA世界ランキングに入れること、そして、地域や世界の公式戦に参加することだ。

リヤドでトレーニングに参加し、腕自慢をする初代サウジアラビア女子サッカー代表チームの選手ら。(SPA)

そして、2026年のAFC女子アジアカップの開催を検討している4か国のうちの1つがサウジアラビアであるというニュースが8月1日月曜日に入っており、これは予想よりも早く実現する可能性があるようだ。

「サウジアラビアは、女子サッカーを受け入れています。国内各地の女の子と話すと、彼女たちがサッカーに興奮しているのがわかります」とシュターブ氏は語った。

「FC女子アジアカップ2026は、若い世代の女性たちがサッカーの夢を実現するためのかつてない機会です」

これから数年間、大変な作業が続くことは間違いない。しかし、サウジアラビアが開催地として成功すれば、3年後にはウェンブリー・スタジアムでの喜びに満ちた光景が、より身近な場所で再び見られるようになるかもしれない。

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