アラブニュース・ジャパン
ドバイ:日本人でイェール大学助教の成田悠輔氏が、日本の高齢化社会に関して、高齢者は集団「切腹」すべきだと発言したことで非難を浴びている。
切腹は腹を切って自殺する儀式的行為で、19世紀には不名誉な行いをした侍は切腹することが規範とされていた。
2021年末のオンラインニュース番組の中で、経済学助教の成田氏は日本の高齢化社会に対する独自の解決策を提案した。「僕はもう唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなものではないかと」
ニューヨーク・タイムズによると、男子生徒から自説について説明するよう求められた成田氏は、2009年のホラー映画『ミッドサマー』の中の、スウェーデンのカルト教団が最高齢のメンバーの一人を崖から飛び降り自殺させるという一場面について語ったという。
成田氏は安楽死というテーマに触れたことでも非難に晒されている。「将来的にあり得る話としては安楽死の強制みたいな話も議論に出てくると思う」と発言したのだ。
ニューヨーク・タイムズによると、成田氏は後に、文脈から切り取られたものだったとして自身の発言を擁護し、単にビジネスや政治の指導的地位から高齢者を追い出して日本の若い世代のための場所を空けるということを言っただけだと述べた。
一連の発言の後、日本ではこの37歳の学者のソーシャルメディアアカウントのフォロワーが数千人増えた。多くの若者は、経済の停滞は高齢化社会のせいだと信じているのだ。成田氏のツイッターのフォロワーは現時点で57万2000人いる。
しかし、ソーシャルメディアでは成田氏の発言に反対する声も多い。ある人は、同氏は「注目を浴び」ようとしていると指摘した。
そのツイートは次のように述べている。「回転寿司テロをやってる輩の大人版。注目を浴び、メディアに出る事で自身の価値を高めようとしているが、人権無視も甚しい」
回転寿司テロをやってる輩の大人版。
— 平凡なサラリーマン (@tabibito10000) February 15, 2023
注目を浴び、メディアに出る事で
自身の価値を高め様としているが、人権無視も甚しい。
別のツイッターユーザーは、ニューヨーク・タイムズの記事を読んで「嫌な気持ち」になり、記事の内容に「ショックを受けた」とツイートした。
I was really shocked and made me feel bad reading the article, "A Yale Professor, who is well known Japanese, Suggested Mass Suicide for Old People in Japan." Are we only a burden to society? Do we have to kill ourselves? Do we have to choose voluntary euthanasia?😠
— yamadataro (@yamadat15043259) February 13, 2023
2013年に麻生太郎財務相(当時)が、高齢者の医療費を国民に負担させないためにも「さっさと死ねるようにしてもらわないと」と発言した際にも、日本では同様のコメントが見られた。
麻生氏はこの時、自分が高齢になった後の医療を「政府のお金でやってもらってるなんて思うとますます目覚めが悪い」と述べ、「さっさと死ねるようにしてもらうとか、いろんなことを考えないと(…)この種の話は解決することはない」と続けた。