
ニューヨーク時事:日本の女性起業家が手がける福島県産の日本酒や、宮城県産イチゴを使ったチョコレートなどを紹介する展示会がニューヨークで今月末まで開かれている。富裕層に照準を合わせた高価格帯の食品など計約20社の商品が勢ぞろい。世界有数の市場への輸出拡大を狙う。
日本政府によると、昨年の農林水産物・食品の輸出額は1兆4140億円と過去最高を更新。中国、香港に次ぐ輸出先の米国では、和食ブームが追い風となり特に日本酒の人気が高い。
展示会に並ぶ日本酒(300ミリリットル)は、福島県産の伏流水や東北産の酒米を使い、スパークリングワインに似た味わいが特徴だ。価格は60ドル(約8300円)。出品する1度(東京)の島崎かおり社長は「食との相性が良く飲食店などへの販売を増やす」と意気込む。
展示会のテーマの一つが持続可能性だ。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市で収穫され、形がふぞろいのため出荷できないイチゴをフリーズドライにしたチョコを販売するロスゼロ(大阪市)は、1袋約30ドルでの展開を目指す。
米デル・テクノロジーズの調査によると、ニューヨークは資金調達環境の良さや市場規模などから、女性起業家が最も活躍しやすい世界都市の一つ。展示会を企画したコンサルタントの梅原静香氏は「日本食が受け入れられ、女性起業家が育つ土壌がある」と述べ、市場開拓に期待を示した。
時事通信