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レビュー:深みのあるキャラクターづくりと豊かなファンタジーが売り「ファイナルファンタジーXVI」

「ファイナルファンタジーXVI」は、これまでの15作品をプレイしたことのない人でも楽しめるゲームとして販売されている。(提供写真)
「ファイナルファンタジーXVI」は、これまでの15作品をプレイしたことのない人でも楽しめるゲームとして販売されている。(提供写真)
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16 Jul 2023 09:07:06 GMT9
16 Jul 2023 09:07:06 GMT9

ジェームズ・デンスロー

ロンドン:「ファイナルファンタジー」は名の知れたロールプレイングゲーム(RPG)のヒットシリーズ。その歴史は30年以上に及び、深淵な物語や印象に残るキャラクター、革新的なゲームシステムでプレイヤーを魅了してきた。

それぞれの作品において、魔法やテクノロジー、冒険に満ちた独自の世界が提供されている。プレイヤーは探索に出かけ、手強い敵と戦う。そして、「友情」「愛」「善悪の戦い」というテーマが織り交ぜられた複雑な物語を解き明かしていく。

豊かな物語性や息を呑むビジュアル、うっとりするようなサウンドトラックを備えた「ファイナルファンタジー」は文化的な現象となり。世界中で数百万人のファンを魅了している。そして、史上最も影響力があり、愛されているゲームシリーズの1つとしての地位を揺るぎなきものとしている。

「ファイナルファンタジーXVI」は、これまでの15作品をプレイしたことのない人でも楽しめるゲームとして明確に売り込まれている。

レベルアップのシステムは備わっているが、クラシックなRPGというよりもキャラクターアクションの色合いが濃い。50時間を超えるストーリーを有しながらも、物語の深みと質をプレイ開始直後から楽しむことができる。

ヴァリスゼアの世界は、「ロード・オブ・ザ・リングス」や「ゲーム・オブ・スローンズ」のファンなら親しみを覚えるだろう。口の悪い戦士や社会の不正義、絶えることのない暴力に満ちている。しかしながら、「アクティブタイムロア」機能(ゲーム内で用語の辞書を見ることができる)の導入により、五王国にまたがる数十年の歴史がよりわかりやすくなっている。

「ゼルダの伝説」の新作などの類似ゲームと比べてオープン性やインタラクティブ性が特段優れているわけではないが、視覚面でインパクトがあり、キャラクターも際立っている。

この実写的なファンタジーの中には、中心的な主人公(「クライヴ」という驚きのネーミング)の物語がある。クライヴは10代の若者で、巨人のようなクリーチャーに変身できる能力を持つ「ドミナント」である弟の面倒を見る役割を負っている。「エイコン」と呼ばれるこれらの強力なモンスターは、プレイヤビリティとスケールの双方においてゲーム独自の特徴となっている。とっつきやすく、印象にも残る。

また、ドラマチックなサントラと進行の早さによって、ショー的要素とプレイのバランスが見事に取られている。

戦闘では反射神経が重要だ。タイミングや技のコンビネーション、敵がよろめいた際などの重要な瞬間が試される。防御行動や必殺技の際には映画のような画面となる。ジャンプや敵へのダッシュのような攻撃とともに、武器と魔法が中心的な資質となる。

戦闘以外の要所ではNPCが助けてくれるが、第一の仲間は犬の「トルガル」だ。小さな時から育て上げた犬で、戦闘時には指示を出せる。最初の方の戦闘には迫力を感じ、ワクワクするが、HPの大きな敵とゲーム全体の長さが相まって、少々繰り返しが多いと感じられる。

ありがたいことに、あらすじの力のおかげで、度重なる戦闘を乗り越えて熱中することができる。キャラクターのために構築された深みある世界の中で映える複雑さを抱えたキャラクターと、真のつながりを感じられるところにやりがいがある。

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