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インタビュー 一龍ラーメンハウス、UAEに「おひとりさまダイニング」と本格和食を持ち込む

一龍ラーメンハウスはドバイで最も新しいラーメン店。(提供)
一龍ラーメンハウスはドバイで最も新しいラーメン店。(提供)
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03 Aug 2023 08:08:10 GMT9
03 Aug 2023 08:08:10 GMT9

マナール・エルバス

ドバイ:「おひとりさまダイニング(solo dining)」エリア、美しいインテリアデザイン、そして美味しいラーメンがソーシャルメディアで話題となった一龍ラーメンハウスのオーナーが、アラブニュース・ジャパンのインタビューに応じ、同店の歩み、インスピレーション、そして今後の計画について語ってくれた。

ドバイにある一龍ラーメンハウスは、フィリピン人の3兄弟が日本料理と日本文化への深い愛を共有するために設立した新しいラーメン店だ。本格的な日本のラーメンだけでなく、同じく本格的なドリンクやサイドメニューも提供している。

一龍ラーメンハウスはドバイのアル・ワスル・ポートにある。(提供)

このレストランはグループでの食事も可能だが、日本ではとてもポピュラーな、「一人での食事」エリアがあることがソーシャルメディアで話題になった。一龍では、ゲストは一人掛けのブースに座り、注文用紙に必要事項を記入する。注文の品が出来上がると、店員がカーテンを開けて客に料理を提供する。厨房はカーテンを挟んだブースの反対側にあるため、ゲストは調理する音を聞くことができる。

一人での食事体験について尋ねられたクリエイティブ・コミュニケーション部長のニコライ・デ・グスマン氏は、アラブニュース・ジャパンの取材に対し、レストラン全体を一人で食事ができる場所にしたかったと語った。「私達の調査では、ここのほとんどの人はグループで食事をするのが好きでした。それでも私は、この小さな一人用のエリアを作ることにこだわったのです」

一人での食事エリアを作り出したインスピレーションは、ラーメンを食べる際、女性が快適に感じるようにしたいという考えから生まれた。「ラーメンを食べると、通常は本当に散らかってしまいます……ですから、当店でこれを導入して、人々がどう受け取るのか、見てみたかったのです。そして実際、皆さんに気に入って頂いています」とニコライ氏は付け加えた。

一龍ラーメンハウスの一人用食事エリア。(ANJP)

スタジオ・ディレクターとして15年の経験がニコライ氏は、一人での食事に対する利用者の支持は予想外であり、圧倒されているという。「私はその過程で多くの修正と失敗を経験しました……しかし最終的には受け入れてもらえました。私たちはこのスタイルを発展させるつもりです」と、彼は続けた。

レストランに足を踏み入れた瞬間、ゲストは日本文化の一端に触れることになる。店内は日本の装飾品や漫画のコレクション、高さ2メートルのガンダムの模型、アニメを流すプロジェクターやテレビに囲まれている。「アニメは、私の血になっていますよ」とニコライ氏は言う。「私は小さい頃からアニメ文化の中で育ちました。フィリピンにはアニメファンがたくさんいます」

ニコライ氏は、アニメこそが、彼をデザイナーにした主な理由であり、それは人生に対する感謝の気持ちを教えてくれたという。レストランには彼自身の漫画コレクションが飾られている。彼は日本で育ったわけでも、日本に住んでいたわけでもないが、日本文化に対する彼の深い愛情と感謝の念は、レストランの隅々にまで見て取れる。彼が日本を愛するようになったのは、父親の影響だという。「私たちの父はとても長い間、日本で働いていました。だから私は、日本がいかに美しい国であるかを聞かされて育ったのです」

一龍ラーメンハウスの内装。(提供)

料理長のラウル・デ・グスマン氏は日本で学んだが、料理の勉強はしていない。「実際、私は電気の勉強をしていました。そんな中で、大きなレストランとラーメン屋を経営している日本人シェフに出会い、ラーメンの作り方を教えてもらったのです」

「ラーメンを一杯食べてみて、すぐに夢中になりました。もう30年以上も前のことです。今でもそのホテルと雰囲気を覚えています。これが、私が日本食を愛するようになった理由です」と、彼は付け加えた。

ラウル氏はアラブニュース・ジャパンの取材に対し、彼はドバイで最も本格的な日本食を提供することに全力を注いでいると語った。彼はゲストに美味しい味を届けるためにスープを16時間煮込んでいる。「私は情熱を持って料理をしています」と彼は説明した。「私はタイミングに賭けています……私は常に、すべてを測定します」

メニューは4種類で、日本円で1,871円から。ベストセラーは「赤パイタン」(別名「赤ラーメン」)で、鶏白湯、チャーシュー、味玉、鶏ゴマピーナッツソース、青ねぎ、黒きくらげから構成されている。

同店のラーメンメニューのひとつ。(提供)

この兄弟たちは、本格的なものであれば、可能な限り革新的で季節感のある料理を提供するつもりだ。また、将来的にはイベントや日本映画の上映会などを開催し、地域の人々を結びつけることも計画している。

兄弟たちは、GCC地域、特にサウジアラビアに支店を開くことに大きな興味を示した。「一番遠いゲストはリヤドから来ました。イード(ラマダン明けの休暇)の期間中、サウジアラビアから飛行機で来てくれました」と、彼らは振り返った。

将来の計画について、彼らは中東に日本をもたらすための10年計画を持っているという。「私たちは4つのフェーズを持っています。今、私たちはフェーズ1、つまり一龍ラーメンハウスにいます。2つ目のプランもあります。3つ目が最大です……私はそのためのコンセプトデザインをし、ラウルに見せたところ、それはクレージーだと言われてしまいました。私はみんな驚くと思います。もし一龍ラーメンが狂っていると思うなら、どうぞたのしみにしていてください」

一龍ラーメンハウスの営業時間は、月曜から木曜が午後12時から午後11時まで、金曜、土曜、日曜が午後12時から午前12時までとなっている。場所はアル・ワスル・ポート・ビューズ7番ビル。

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