


東京:ファン内蔵ジャッケット、ネッククーラーに冷感Tシャツなど、日本企業は夏の暑さを乗り切るための商品で成長市場に進出している。
日本では、他の国と同様、最も暑い夏となっている。今年の7月はここ100年で最も暑く、熱射病で少なくとも53人が死亡し、約5万人が緊急の治療を必要とした。
建設労働者向けの衣服を作っているワークマンは、需要の拡大を受けて2020年に一般向けバージョンのファン付きジャケットを発売した。
仕組みは単純で、充電式電池で駆動する2つの手のひらサイズの電気ファンがジャケットの背部についているのだ。
ファンは空気を吸い込んで、着用者の体へと風速の変更可能な微風を送る。
このジャケットの小売価格は12,000〜24,000円(82〜164ドル)だ。
「天候が暑くなると、ファンの付いた衣服を着たことがない方はクールダウンの方法を求め、多くの方が商品の購入に興味を持たれます」と広報の鈴木悠耶氏はAFPに言った。
「家の扇風機で涼しく感じるのと同じように、いつでも風が体を吹き抜けるので、(ジャケットを)着るだけで涼しく感じます」
日本の夏は高温多湿で知られているが、この7月の東京は厳しい暑さだった。
平均気温は28.7℃(83.7℉)で、1875年の観測開始以降最高だった。
モナコに次ぐ高齢化率2位の日本では特に熱射病が命取りだ。
過去5年間における暑さに関連する死亡者のうち、80パーセント以上が高齢者だった。
「熱射病で亡くなる方もいます」と言うのは、主に工場や倉庫労働者に向けたネッククーリングチューブを販売している、企業MIクリエーションズの高井のぞみ氏だ。
「企業だけではなく個人も、毎年熱射病への対策にもっともっと労力を注いでいます」と高井氏は言った。
MIクリエーションズの明るい色をした2,500円のチューブの中にあるジェルは、冷蔵庫に20分入れると十分な冷たさになる。
首に身に着けると約1時間、「全身を十分に冷やしてくれます」と高井氏は言った。
高井氏の企業は今年、東京で「酷暑対策」のエキスポに出展し、猛烈な暑さの中で涼しく過ごすために役立つ新商品を披露した。
別のブースでは、東京の企業リベルタが、特に汗をかいた際の冷感プリントを用いた、Tシャツやアームカバーといった一連の衣服を展示していた。
このプリントには、水や汗と反応した際にヒンヤリと感じるキシリトールなどの素材が使用されているのだという。
大阪の企業チクマは、電気ファン付きのオフィスジャケットやワンピースまでも生み出した。
「カジュアルな服装が許されない場所で、提案できるかもという考えのもと開発しました」とチクマのヤマナカ・ヨウスケ氏は言った。
通常のファン付きの服を着ると、ファスナーを上げて袖口を締める必要があるために膨らんで見える。
しかし、チクマと電動工具メーカーのマキタ、そして巨大繊維企業の帝人が共同開発したジャケットは、2つの層でファンをサンドイッチして涼しい空気を取り入れる特別構造のおかげで、ボタン留めの必要がないのだとヤマナカ氏は言った。
夏の日焼けから保護するための日傘は、日本では肌の色を気にする女性に関連づけられることが多いが、今では男性にも人気がある。
東京で傘を製作する小宮商店は、環境省が日傘の使用を推奨したため、2019年頃からメンズの日傘を作り始めた。
以前には、多くの男性客は日傘は「女性のもので恥ずかしい」と考えていたと、代表の小宮宏之氏は言った。
「使ってみたら手放せませんよ」と小宮氏。
人気の観光地浅草の賑やかな通りで、ミヤ・キヨシ氏(42歳)は「雨傘を日傘として使う」ことにしたと言った。
「常に日陰にいるようで、風が涼しく感じます」とミヤ氏。
他にも、訪れていたカワシマ・ショウマ氏は、焼き付ける太陽の下で涼しくいるために首掛けのファンを身に着けていた。
「とても暑いので裸になりたいです」
機械は便利だが、気温上昇の「解決策にはならない」と21歳のカワシマ氏は言った。
AFP