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一般票ではなく激戦州の結果が大統領戦を決定する

トランプ大統領とジョー・バイデン候補、2020年度の受諾演説をおこなう(ロイター)
トランプ大統領とジョー・バイデン候補、2020年度の受諾演説をおこなう(ロイター)
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20 Oct 2020 05:10:47 GMT9
20 Oct 2020 05:10:47 GMT9
  • 民主党が投票率向上を強く働きかければ、バイデンはトランプより400万票多く得票するだろう
  • ミシガンとオハイオでは非常に接戦で、どちらの候補が勝ってもおかしくない。バイデンは、他の隣接州よりもこの2州において勝利を収める可能性が確実に高い

Ray Hanania

シカゴ: 米国では皆が郵送投票を推奨しているが、私は米国の郵送システムをあまり信用していない。

票をカウントする選挙システムが既に信用できないのに、もっと信用できない郵便サービスをそこに加えるのは、懸念材料が増すだけだ。

11月3日の大統領選挙を制するのはドナルド・トランプか、ジョー・バイデンか。その結果を知るために何日も何週間も待たされるのはかなり確かだ。そして米上院、米国議会、州議会と、他にも重要な争いが数多くある。

しかしトランプがヒラリー・クリントンを制した2016年の選挙結果を元に考えると、今回の大統領選を誰が制するかを決める鍵は、米国のわずか数州が握っているのかもしれない。2016年の選挙結果では、トランプとクリントンの得票数は拮抗しており、どちらが勝ってもおかしくない州が7つあった。

アメリカ人の意識調査結果は聞く必要がない。実際、米国メディアの意識調査は、大統領を選ぶ方法ではない「一般投票」の結果を反映しがちだからだ。

意識調査は多くの場合有効だが、米国の大統領選挙に関しては無効である。

米国は「選挙人団代表投票(ECDV)」システムを用いている。これは誰が大統領になるかを決定するために、米国50州とワシントンDCの声を採用するシステムである。ECDVシステムでは、アイオワのような人口の少ない州にもニューヨークのような人口の多い州と同等の権利が与えられる。

2016年、ヒラリー・クリントンは「一般投票」ではトランプよりも約300万票多く獲得したが、これは明らかに意識調査が反映された結果であり、彼女が選挙に勝つと信じる方向に多くの人々をミスリードした。

今年、民主党が投票率向上を強く働きかければ、バイデンはトランプより400万票多く得票するだろう。これもまた現在の意識調査の結果を反映している。しかし、この400万の有権者のほとんどは、選挙人団代表投票制度に直接影響しない。

ニューヨーク、イリノイ、カリフォルニアのような民主党支持が多い州では、投票率は急上昇するだろう。しかし、民主党の支配州で投票数が増えたところで、ジョー・バイデンの最終結果は変わらない。ヒラリーが2016年にそうだったように、バイデンがイリノイで55%を得票して勝利を収めたところで、またはこの11月に突出したいくつかの州で75%を得票したところで、バイデンがイリノイから受け取る選挙人代表票の数は変わらない。それはわずか20票である。

一般大衆は、選挙の夜にどの州をフォローすべきか理解し、明らかにトランプよりもバイデンを支持している米国の主なニュースメディアの偏った情報に左右されなければ、よりよい情報を得ることができる。

ECDVシステムにおいては、勝者は51に分けられている州および管轄区域(つまり50の州とワシントンDC)から得られる538票のうち、合計で最低270票が必要となる。

ヒラリー・クリントンは20の州とワシントンDCを制し、232の代表票を獲得した。クリントンはそのほとんどで大差をつけて勝利した。例外はニューハンプシャーでのトランプ46.5パーセントに対するヒラリー46.8パーセント、そしてミネソタでのトランプ44.9パーセントに対するヒラリー46.4パーセントだけだった。

トランプは30の州を制し、ECDVシステムで306票を獲得した。彼はほとんどの州で大差をつけて勝利した。例外は7州だけであり、この接戦だった7州では選挙の夜とその翌週の選挙結果を見守らなければならなかった。

トランプは、南部と中西部の23州では非常に大差をつけて勝利した。 

今回、トランプが接戦となる可能性があると言っている州は7つだ。それに対する私の予想は以下の通りである。

4州はB-激戦州である。過去の投票結果や、2016年にトランプとクリントンの間で割れた票を考慮すると、バイデンがトランプに勝つのが難しい州である。しかし過去の投票結果には大きな差があるため、バイデンが投票を呼び掛ける ことにより有権者の票を得ることは可能だ。

この4州とは、ECDV18票を有するオハイオ(トランプ51.3パーセント、バイデン43.2パーセント)、ECDV6票を有するアイオワ(トランプ51.1パーセント、バイデン41.7パーセント)、ECDV16票を有するウィスコンシン(トランプ47.2パーセント、バイデン46.5パーセント)、そしてECDV16票を有するミシガン(トランプ47.3パーセント、バイデン47パーセント)である。

そして3州は、トランプが負けることを許されないA-激戦州である。これもまた過去の歴史と接戦ぶりを考慮してのことである。この3州とは、ECDV20票を有するペンシルベニア(48.2パーセント対47.5パーセント)、ECDV票を有するフロリダ(48.6パーセント対47.4パーセント)、そしてECDV15票を有するノースカロライナ(49.8パーセント対46.2パーセント)である。

トランプがA-激戦州のいずれかで敗れると、バイデンが4つのB-激戦州のうち3州を容易に制し、バイデンが選挙に勝利することを示唆する。

バイデンがオハイオとミシガン、そしてB-激戦州のどれかひとつを制した場合、トランプは依然としてA-激戦州を制することはできるが、選挙には負けるだろう。ミシガンとオハイオではどちらが勝ってもおかしくなく、間違いなく接戦となる。 そしてバイデンは、他の州よりもこれら2州において勝利を収める可能性がより高い。

もちろん、これはただの選挙ロードマップである。電子ナビゲーションシステムにその座を奪われたロードマップを読む者など、今時いないだろう。

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