マナール・エルバス

ドバイ：ティーソムリエの資格を持ち、日本の「世界緑茶協会」の会員でもあるイヴェット・アリザラさんは、UAEで茶会を開催していることで名を馳せている。

米領グアム島で生まれ育ったアリザラさんが湾岸地域に辿り着いたのは、大学卒業後すぐにクウェートに移住した時だった。最終的にドバイで仕事を見つけ、10年以上そこで暮らしている。

アリザラさんは、2001年に静岡県が緑茶の発展を促進し伝統と効能についての認識を広めるために設立した組織「世界緑茶協会（WGTA）」の特別会員として招待され、同協会に加わった初めてのドバイ在住のお茶専門家となった。同協会の機関誌「緑茶通信 RYOKUCHA」にも寄稿している。

彼女はアラブニュース・ジャパンに対し次のように語る。「私にとって最高なのは、彼らからのサポートです。日本茶に関連することなら何でも、いつでも相談できます。それは素晴らしいことです。そしてもちろん、私にはその知識をお茶のコミュニティーに共有する義務があります」

アリザラさんはこの7年間、日本、中国、台湾を行き来しながら、生産者と一緒にお茶に関するボランティア活動をしたりお茶の淹れ方を学んだりしてきた。そして、ためになる話やおすすめのお茶をUAEの人々に紹介するオンラインプラットフォーム「yv et te」を立ち上げるに至った。

彼女は語る。「UAEではお茶が徐々に広まりつつあり、特に抹茶がブームになっていますが、私たちは信頼し応援している生産者のお茶を注意深く厳選することで、セレクションを少なく留めるとともに、全ての情報について透明性を保ちながら提供するようにしています。基本的に、誇りを持って紹介できる良いものだけに集中しているということです」

アリザラさんはUAEでお茶の試飲会を100回以上開催してきた。最近TODAで開催された「日本✕ゴッホ展」での日本茶試飲マスタークラスもその一つだ。

これは本格的な日本茶を試飲する体験を人々に楽しんでもらうために趣味として始めたもので、参加者に思い出に残る経験を作り出すことに個人的な充実感を感じているという。

最近のワークショップでは、ドバイを拠点に日本文化に夢中な人々をつないでいるミートアップ団体「ジャパン・イン・アラビア」とコラボレーションした。このワークショップは彼女の自宅で行われ、より親密な体験となった。

彼女は「かりがね（茎茶）」など6種類の日本茶を紹介しながら、正しい淹れ方や一般的なコツを伝えた。2時間におよんだこのワークショップではアリザラさん自身が考案したヘルシーなスナックも用意され、参加者はお腹を満たしつつお茶の試飲を楽しんだ。

アリザラさんは初めてお茶の試飲会に参加しようかと思っている人に対し、オープンな心で来ることを勧める。「私は『お茶警察』ではありませんし（…）お勧めするのは、新しいものや質の良いものを試してみることです」と彼女は説明する。

アリザラさんのお茶への情熱は彼女の食や健康への愛と絡み合っている。そんな彼女はお茶に関連したあらゆることを人々に教え続けている。現在はUAE各地で茶会を開催しているが、機会があればサウジアラビアで行うことにも前向きだという。今は自身のブランドを立ち上げている最中だ。