
第2次岸田再改造内閣の発足後初めての国政選挙となった衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の補欠選挙は22日投開票され、自民党は徳島・高知選挙区での敗北が確実になった。与野党一騎打ちとなった2補選で、自民は選挙前の2議席を守ることができず、岸田文雄首相(自民総裁)にとって痛手となった。
首相は23日、臨時国会で所信表明演説に臨み、与野党の論戦がスタートする。野党は勢いづくとみられ、内閣支持率が下落する中、政権基盤が揺らぐ可能性もある。一部で取り沙汰される年内の衆院解散は困難との見方が広がりそうだ。
自民の世耕弘成参院幹事長は東京都内で記者団に「大変厳しい戦いだった。経済対策策定を地道にやっていくことが重要だ」と指摘。立憲民主党の大串博志選対委員長は「岸田政権の政権運営にノーという厳しい声を突き付けることができた。意義のある戦いだった」と語った。
2補選では物価高騰への対応に加え、首相の政権運営の評価が争点となった。首相は選挙区に入り支持を訴え、20日には所得税減税の検討を打ち出すなどしたが、徳島・高知選挙区では及ばなかった。
徳島・高知選挙区補選は秘書に暴力を振るった高野光二郎氏(自民離党)の議員辞職を受けたもので、元立民衆院議員で無所属の広田一氏(55)が元高知県議で自民新人の西内健氏(56)=公明党推薦=を破った。
長崎4区補選は自民の北村誠吾元地方創生担当相の死去に伴う。2021年衆院選で比例代表で復活当選した立民前職の末次精一氏(60)=社民党推薦=と、自民新人の金子容三氏(40)=公明推薦=が争い、出口調査によると両候補は競り合っている。
時事問題