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避難民でごった返すスーダンの町に飢えと病が蔓延

2023年6月8日木曜日、スーダン国軍と準軍事組織の即応支援部隊(RSF)との戦闘が続く中、首都ハルツーム上空に立ち上る煙。(AFP/ファイル)
2023年6月8日木曜日、スーダン国軍と準軍事組織の即応支援部隊(RSF)との戦闘が続く中、首都ハルツーム上空に立ち上る煙。(AFP/ファイル)
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23 Jun 2023 05:06:45 GMT9
23 Jun 2023 05:06:45 GMT9

スーダン、ワドメダニ:内戦で荒廃したアフリカ北東部の国スーダンでは、青ナイル川沿いのある町が戦闘から逃れられる比較的安全な避難場所となっている。しかし、そこで暮らす生存者たちは過密状態、蔓延する病気、忍び寄る飢餓に耐え忍んでいる。

戦闘地域と化した首都ハルツームから車で200km南東にあるワドメダニにたどり着いた国内避難民の中に、3人の子を持つ母親ファティマ・モハメッド氏がいた。

そして10日前、彼女は3人の子供たち(11歳のイタールさん、9歳のダラルさん、7歳のイブラヒム君)を残して病気で亡くなった。3人の子供たちは現在、アル・ジェイリ・サラー学校の中庭でほぼ自力で生活している。

4月中旬にスーダンで対立する2人の将軍の間で戦争が勃発して以来、彼らのように命からがら逃げ出した人が数十万人いる。

スーダン国軍を率いるアブドゥルファッターフ・ブルハン将軍と、彼の元副官で準軍事組織の即応支援部隊(RSF)を指揮するモハメド・ハムダン・ダガロ将軍との間の戦闘で、これまで2,000人以上が死亡している。

ジャジーラ州の綿花栽培地域で、青ナイル川の曲がり角に位置するワドメダニでは、学校や大学の寮、その他の建物内に設置された仮設の避難キャンプに多くの人が避難している。

避難民の1人であるソウカイナ・アブデル・ラヒム氏は現在、ワドメダニ東部にあるジャジーラ大学の女子寮の一室で家族6人と暮らしている。

「家族で住むには、この宿泊設備は快適ではありません。スペースやプライバシーがありません」とラヒム氏は言う。

「シャワーとトイレは同じフロアにある他の20部屋と共有です。各部屋では家族全員が寝泊まりしています」

夏のうだるような暑さと頻繁な雨季の豪雨に見舞われているこの地域では現在、基本的なサービスが不足している。

夫と4人の子供とともに避難しているハナン・アダム氏は、「長期にわたる断水や停電がよくあります」と語った。

「高温と蚊の急増で、4人の子供たちは全員マラリアに感染してしまいました」と、戦争勃発以前からこの国で主な死因となっていた病気について彼女は付け加えた。

しかし、現在ワドメダニで医師の診察を受けることは、ささやかな奇跡に値する。

ワドメダニのある避難民キャンプでは、援助団体「国境なき医師団」が約2,000人の避難民に対してこれまで派遣できたのは医師1人と看護師4人だけだ。

スーダンで長年活動してきた複数の人道援助団体は、戦争で圧倒され、時には標的にされてきた。スーダン人スタッフの多くは疲労困憊しているか自宅に身を隠している一方、外国人スタッフはビザ取得を待っている。

何百万人ものスーダン人が長年援助に頼ってきたが、現在、食糧不足はこれまで以上に深刻になっている。

生後6か月から10歳までの5人の子供の母親であるソウマヤ・オマール氏は、「食料パッケージを受け取りましたが、その中に乳児用ミルクは入っていません」と語った。

しかし、スーダンの急激なインフレと大規模な物資不足の中で、「私たちにはそれを買う手段がありません」とオマール氏は語った。

ワドメダニ西部にあるアブダラ・ムーサ学校など、時には近隣住民が絶望的な状況にある人々に飛び入りで食事を提供することもある。

若いボランティアからなる少人数チームが、建物にキッチン設備がないために料理ができない家族に食事を配布していた。

しかし、今回の戦争が勃発する前でさえ3人に1人が飢餓に苦しんでいたスーダンでは、こうした取り組みだけでは不十分だ。

ワドメダニにある13か所の避難キャンプで働くある医師は、「栄養失調が子供たちに影響を及ぼし始めています」と語った。

さらに、「避難民キャンプの診療所では、憂慮すべき症例の患者がすでに出始めています」と明らかにした。

スーダンの食糧生産能力は、水不足と、2019年に失脚したオマル・バシール元大統領の政権下での数十年にわたる制裁の影響を受けて落ち込んでいたが、さらに悪化している。

戦争でスーダンの多くの建物が破壊されているが、国連児童基金(ユニセフ)によると、恵まれない子どもたちの栄養ニーズの60%を満たしていたというハルツームのサミール工場も破壊されてしまった。

ユニセフによると、現在約62万人のスーダンの子供たちが急性栄養失調に苦しんでおり、早急に援助を受けなければ、その半数が死亡する恐れがあるという。

しかし、国連や非政府援助機関は資金不足に陥っており、何よりも、スーダン国内の複数の戦地で戦闘が激化しているため、手持ちの救援物資を輸送することができない状況だ。

AFP

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