
【ワシントン時事】トランプ米大統領は26日、ホワイトハウスで記者会見し、日本で新型コロナウイルスの感染者が増加する中でも、東京での五輪開催を「望んでいる」と述べた。一方で五輪までの期間が「いささか窮屈だ」とも指摘し、感染収束が遅れ開催に支障が出る事態に懸念も示した。
トランプ氏は先に、安倍晋三首相から五輪に招待され、出席を検討中だと明らかにしている。会見では、日本政府の対応に関し「プロとして(優れた)仕事をしていると聞く。うまくやると思う」と評価し、楽観的な見方を示した。
また、現在は中国滞在者だけが対象の米入国規制を韓国やイタリアに広げる可能性について「適切な時期にそうするかもしれないが、今はその時期ではない」と語った。中国政府の対応に関しては「習近平国家主席と先に長時間(電話で)話したが、彼は本当に一生懸命やっている」と前向きに評価した。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国内でのウイルス感染者は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避し帰国した米国人らを除くと15人。うち1人はウイルスが問題になって以降の中国渡航歴がない上、感染者との接触も確認されておらず、感染経路がはっきりしない。
CDCは先に、感染地への渡航と直接関係しない地域レベルでの感染拡大に警戒するよう呼び掛けている。トランプ氏は会見で「感染者が増えようが、準備は十分できている」と述べ、対応態勢を整えていることを強調した。政権全体の対策を統括する責任者にペンス副大統領を据えることも発表した。
時事通信社