
衆院政治倫理審査会は29日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田文雄首相(党総裁)に対する審査を行った。首相は「国民に大きな疑念を招き、政治不信を引き起こしていることに対して党総裁として心からおわびする」と陳謝した。
首相は「コンプライアンスの確立に向けた改革を進めていかなければならない」と表明。「自浄作用が求められている。自民党は抜本的な出直しをしなければならない」と述べた。
政倫審開催は10回目で、衆院議員の弁明は2006年以来。現職首相の出席は初めてで、同日は二階派事務総長だった武田良太元総務相も審査に臨む。
◇政倫審を巡る動き
【2023年】
12月20日 野党、衆院政治倫理審査会の開催要求
【24年】
1月26日 通常国会召集
31日 岸田文雄首相、衆院本会議で「国会で判断する事柄」と答弁
2月 4日 自民の浜田靖一国対委員長、NHK番組で政倫審開催検討を表明
7日 浜田氏、「ハードルが高い」とトーンダウン
14日 野党、衆院予算委員会で首相の指導力不足追及
15日 自民、26日の衆院予算委中央公聴会提案
萩生田光一前政調会長、条件付きで「出席拒まず」
19日 自民が衆院議員51人の出欠意向確認に着手
20日 自民、塩谷立元総務会長と武田良太元総務相の出席案提示。野党反発
21日 西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長の出席案
追加提示
野党、参院議員32人の出席を求め参院政倫審開催申し立て
22日 自民と立民、衆院政倫審の28、29両日開催で合意
29日の中央公聴会議決
26日 公開巡り与野党折り合わず
27日 自民、テレビ中継なしの西村、武田両氏審査案を打診
両氏が出席意向を覆し、28日開催見送りに
28日 首相がテレビ中継ありの政倫審出席を表明。自民5氏が追随
与野党、29日から2日間の開催で合意
29日 首相と武田氏が出席し、15年ぶり開催
時事通信