
ソウル:日本の防衛省によると、北朝鮮は18日午前、2回にわたり弾道ミサイル計3発を発射した。いずれも北朝鮮の西岸付近から北東方向の日本海に撃たれ、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落ちたとみられる。短距離弾道ミサイルと推定される。
韓国軍は、北朝鮮の平壌一帯から発射されたと明らかにした。防衛省によると、3発はいずれも最高高度が50キロ程度で、約350キロ飛行。航空機や船舶への被害は確認されていない。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は1月14日以来で、今年2度目。北朝鮮は、米韓両軍が今月4~14日に実施した合同軍事演習の中止を要求するとともに、金正恩朝鮮労働党総書記が軍の訓練を視察し対抗姿勢を示していた。
ただ、北朝鮮は合同演習期間中にはミサイルを発射しなかった。韓国の聯合ニュースは、北朝鮮が協力を深めるロシアの大統領選終了を待って発射したとする専門家の見方を報じた。また、18日からの「民主主義サミット」に参加するブリンケン米国務長官の訪韓に合わせた可能性もある。
岸田文雄首相は発射を受け、国民への迅速な情報提供、航空機・船舶の安全確認、不測の事態に備えた万全の態勢構築を指示。参院予算委員会で「(国連)安保理決議違反であり、強く非難する」と述べ、抗議したと明らかにした。米国務省報道担当官も周辺国や地域の安定を損なうと批判。日韓に対する米国の防衛義務は「揺るぎない」と強調した。
北朝鮮は1月24日~2月14日に巡航ミサイルを5回にわたり異例の頻度で発射した。「第一の敵対国」と位置付ける韓国への好戦的姿勢を強めている。
時事通信