
日本国民と北方四島在住のロシア人が旅券や査証(ビザ)なしで相互訪問する今年度の「ビザなし交流」の開始時期が、例年の5月から延期されることになった。複数の日本政府関係者が2日、明らかにした。新型コロナウイルスが四島に持ち込まれることを危惧したロシア側が難色を示したため。日本側は7月の開始を目指して調整を進める。
関係者によると、今年度の計画を決める日ロ両政府の協議は3月12日にロシア・サハリン州で開催される予定だったが、新型ウイルスの北海道での感染拡大を受けてロシア側が拒否。その後、電子メールなどで協議を続けているが、ロシア側の懸念は強く、交渉は進んでいないという。
ビザなし交流は日ロ両国民の相互理解の促進を目的に1992年にスタート。日本からの訪問には四島の元島民とその子孫、国会議員、有識者らが参加し、例年、秋までの間に十数回実施されている。
時事通信社